ヴィクター・モロスコ氏率いる4重奏団。主にカリフォルニアを中心とした西海岸で活動を行っており、各種のフェスティヴァルなどに参加しているようです。
すべてモロスコ氏のオリジナル作品からなるアルバム。メインは7楽章・25分を超す「イタリアのスケッチ」でしょう。モロスコ氏の出身であるイタリアの風景に、アメリカを感じさせる要素が強く感じられます。ほかの曲も、タイトルから推察できるように、純クラシックというより顕らかにジャズなどの影響のある曲ばかり。個人的な好みからすると、もっと思い入れを感じさせる演奏でもよいのではと思いますが、作曲者自身による演奏は優等生的ではありますが、さすが曲の持っている仕掛けを一つ一つ解きほぐしてひとつの音楽にまとめあげています。ちなみにRCとはジャズ・サクソフォン奏者リッチー・コールのこと。そういわれてみればジャズ・バラードを感じさせる曲調は、リッチー・コールとモロスコ氏の親密な交友関係を物語っているようで、このアルバムで一番印象に残りました。
すべての曲の楽譜(とこのCD)は Morsax Music より出版されており、さながらこのCDはデモ演奏といえるでしょう。