Cuarteto Latinoamericano de Saxofones
(Latin America Saxophone Quartet)


1992年9月にチリで結成。翌年8月にデビューし、同年チリ大学芸術学部で行なわれたキューバのサクソフォン奏者ヴィラフレラのセミナーに参加しました。1996年には FONDART を受賞し、アルバム「RODAJE DE UN SUEÑO」を発表しました。1999年7月に再び FONDART を受賞、チリの民謡などを集めたアルバム「Andanzas」を発表、さらに2002年にはミンツァーからガーシュウィン、デュボワまでを集めた「FRONTERAS」を発表しました。これからも彼らならではの活動繰り繰り広げいくことが期待できそうです。

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主なアルバム


「RODAJE DE UN SUEÑO」

CD No.不明 1996/11-12 録音
  1. ラテン・アメリカ4重奏曲 (ロメロ)
  2. サクソフォン4重奏曲 (ラテリエ)
  3. ワパンゴ (デ=リヴェラ)
  4. アリア〜ブラジル風バッハ第5番より (ヴィラ=ロボス)
  5. タンゴの歴史 (ピアソラ)
  6. ハイタカ (パッラ)

おそるべし、ラテンアメリカSQ! 演奏技術は置いておいて、これだけ強烈な歌と自己主張が聴ける録音はそうありません。アンサンブルが乱れようがお構いなし、ガンガン自分たちの音楽をぶつけてきます。特にタンゴの歴史では2楽章の最後がメジャーの和音になっていたり、3楽章の後半のグリッサンド部分にテナーが遅れて伸ばしで入ってきたり、と驚くような解釈がたくさん。南アメリカ各国の曲が1曲づつ選曲されている点などにも自己主張を感じます。


「Andanzas」

CD No.不明 (C)1999
  1. 組曲「チリの神話」 (ル=セルフ)
  2. 北から (アエド)
  3. ヒュアヨ (サンチェス)
  4. 弱いクェカ (ボーデンホッファー)
  5. アリアと望郷 (ホールマン)
  6. レナイコ駅 (C.ロメロ)
  7. Yo Soy Dueño del Baron (民謡)
  8. 南の民 (リケルメ)
  9. ティラネーニャの水彩画 (民謡)

こちらはチリの作曲家による作品やチリ民謡を集めたアルバム。前作に比べると演奏そのものはかなり大人しく感じますが、その分、じっくり音楽の内容を楽しめました。民族色を強く感じさせるものから、まったくの純音楽(って、妙な言葉ですね、、)までヴァラエティ豊かな内容です。最後の曲ではパーカッションも入っていて、なかなか楽しい雰囲気。私のようなリスナーの立場からすれば民族色の濃い音楽の方に"チリらしさ"を感じてしまうのはやむを得ないのでしょうが、アンダーウッドのブラジル作品集アルバムとあわせて、南米におけるクラシカル・サックスの受容度の高さを感じ取ることができます。ジャケット、ブックレットともすべてスペイン語表記で、辞書を引き引き格闘したのですが、なかなか日本語訳がわかりません(爆)


「Fronteras」

Fondart CD No.不明 (C)2002
  1. サバの女王の登場 (ヘンデル)
  2. サクソフォン4重奏曲第1番 (サンジュレ)
  3. 4重奏曲第1番 (ミンツァー)
  4. 3つの前奏曲 (ガーシュウィン)
  5. グラーヴェとプレスト (リヴィエ)
  6. サクソフォン4重奏曲 (デュボワ)

3作目は、なんとサクソフォン4重奏としては正統派のレパートリに挑戦です。相変わらず技術的にはまだまだ未完成ですが、真面目にこの曲に取り組み、それを自分たちの音楽として前向きに表現していて、音楽本来の楽しさに溢れています。理想論を述べれば、この演奏を前に他の演奏との比較は無意味でしょう。とはいえ、完成度がさらに高い演奏を聴き慣れている曲ばかりなだけに、どうしても絶対的なレベルの高い演奏を期待してしまうのもやむをえないところでしょうか。さて、次作はどんな曲に挑戦するのでしょうか、楽しみです。

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