1985年に結成された、オランダの若手サクソフォン4重奏団。ドイツ、ベルギー、イタリア、イギリス、アルゼンチンでの海外ツアーを含め、オランダ内外で演奏活動を行なっています。また、フランスの作曲家セルジュ・ランセンをはじめ、オランダやアルゼンチンの作曲家から曲を献呈されており、今後の活躍が期待されます。
1993年にアルゼンチンを訪れたコ=ヒ=ノールSQが現地で演奏した曲を中心に録音したアルバム。作曲された年代に幅はあるもののすべてアルゼンチンの作曲家による作品で、当然はじめて聴く曲ばかりなのですが、どれも内容が濃く興味深く聴くことができました。演奏も充分満足できるもので、中でもいかにも南米らしいリズムがストレートに感じられたルカブレーションや、身に迫ってくるようなドライヴ感が強烈な音遊びは何度聴いても飽きません。
しかしオランダという国は小さいながら、ベルギーに近いせいか、オランダSQ、アウレリアSQ、シリンクスSQをはじめ、数多くのサクソフォン奏者・団体が活動してるようです。今後、まだまだ実力のある奏者が紹介されることを期待しています。このアルバムも日本では出回ってないようで、ぜひ流通ルートに載ってほしいものです。
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オランダのレーベル NM Classics (Netherland Music) からのリリース。アルバムタイトルからもわかるとおり、すべてオランダの作曲家による4重奏曲です。え、ミチャンスは前作のアルゼンチンのアルバムにも入っていたって? そうなんです、ミチャンスはアルゼンチン出身でオランダ国籍を取得した作曲家なんです。
現代的な響きがする曲ばかり収められていますが、始めから最後まで緊張感を損なわずに音楽空間が築かれており、それぞれの曲が音楽として確実に昇華されているのに驚かされます。これは、卓越した技術に支えられた自信と、曲に対する愛情がなせる芸でしょう。どの曲も始めて耳にする、けしてやさしい曲ではないのに、カラダにすっと入り込んでくるのが不思議。中でも、Background-Music for non-entertainment use in order to cover unwanted noise という長い原題を持つメイエーリンクの颯爽とした曲が耳に残りました。ううむ、恐るべし、オランダの団体。
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3作目のアルバムは、エレクトロニクスやサンプリングを含んだ、これまた現代曲ばかり。けして聴きやすいアルバムではないのですが、自信を持って繰り広げられる演奏には不思議と説得力があります。おどけたようなフレーズの間に声が入る冬?冬!のユニークな響きや、リトゥムでのスピード感覚など、なるほどと思わされる魅力的な作品/演奏でした。
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