Quatuor de Saxophones Inédits


"非公開の"サクソフォン4重奏、という、不思議な名前の団体。2005年に結成、マルセル・アゾッラ、シルヴェイン・カサップ、ヘレネ・ラヴァリエ、グスターヴォ・ベイトゥルマンらの作品を主なレパートリーとして活動しています。

イネディッツSQのサイトはこちら(仏語)


主なアルバム


「Nouvel Archipel」

Daphneo A709
  1. 最初の一滴 (カサップ)
  2. Orsinneur (カサップ)
  3. 小さなオブジェのワルツ (カサップ)
  4. クラクソフォンとサリネッテ (カサップ)
  5. 最後の一滴 (カサップ)
  6. タンガズ (カサップ)
  7. Le Vol du Touron (カサップ)
  8. マドモアゼル・ポガニー (カサップ)
  9. Llamarada (カサップ)
  10. アデリー (カサップ)
  11. 新しい島 (カサップ)
  12. 最初の一滴 (カサップ)

「Nouvel Archipel」(新しい島)というタイトルからも予感させるとおり、おそらくはストーリー性を持ったアルバムなのでしょう。もしかしたら全体を組曲としてとらえるのがよいのかもしれません。曲によってはアコーディオンやウッドベースが加わったりして、気の効いた軽い音楽とも聴こえます。演奏されている音楽は、シャンソン風のように明確なメロディラインに対旋律が呼応する曲が多いですが、ややジャズ風の曲だったり、無調風の曲があったり、一つ一つの曲のキャラクターはずいぶん違います。それでも、全体で大きなストーリー性を持つ短編小説集のような不思議な統一感を感じました。今後、この団体がどういうアルバムを発表していくのか、楽しみです。


「Miroirs」

Daphneo A804
2008 Studio Cargo
  1. スウィング・ヴァルス (G.ヴィソーレ&P.フェルレ)
  2. システムA (A.アスティエ&M.アゾッラ)
  3. サラマンダ (カサップ)
  4. 忘却 (ピアソラ)
  5. インディフェレンス (T.ムレーナ&J.コロンボ)
  6. 芸術に敬礼 (V.コスマ)
  7. Vesoul (ブレル)
  8. Jaures (ブレル)
  9. インディフェレンス (T.ムレーナ&J.コロンボ)
  10. ジムノペディ第1番 (サティ)
  11. 小さなオブジェのワルツ (カサップ)
  12. システムA (A.アスティエ&M.アゾッラ)
  13. スウィング・ヴァルス (G.ヴィソーレ&P.フェルレ)

2作目のアルバムは、アコーディオンのソロとサクソフォン4重奏というユニークな編成。アコーディオンは、タンゴやシャンソンのメロディーを、哀愁漂う音色で演奏しています。フランスの下町のカフェの雰囲気、強めに焙煎したコーヒーや、ちょっと暗い色をしたカクテルが似合いそうな感じです。これは、苦みばしった大人のイージーリスニングといっていいでしょう。忘却にしてもジムノペディにしても、原曲そのままではなく、一ひねりした編曲もユニーク。いわゆるクラシカルなサクソフォンの響きを期待するとちょっと違いますが、これはこれでなかなか楽しめました。


オススメ度:

inserted by FC2 system