1990年、東京芸術大学の同期生4名で結成されたアンサンブル。1994年に東京・葛飾シンフォニー・ヒルズでデビューリサイタルを開き、同年第6回宝塚ベガ音楽コンクール室内楽部門で1位なしの第3位受賞しました。以後、着実にリサイタルを開催し、2000年7月にはカナダで開かれたワールド・サクソフォン・コングレスにも参加しています。各々のメンバはソリストとしても活動しており、リサイタルや客演演奏等でも活躍しています。設立時のメンバは、バリトンが斎藤了氏でしたが、現在は1978年生まれで2002年に東京藝術大学を卒業した福井健太氏が担当しています。
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2000年8月にリリースされた、CDデビューアルバム。1曲目でアルバムタイトルにもなっている「ラ・デリクール」から、力強く華麗な響きが流れます。どの曲も非常に力強く若々しいサウンドで、技術的に破綻ない演奏に驚かされますが、これはこの団体のレベルの高さを示すと同時に、日本のサクソフォン界全体の技術面の充実ぶりを意味するものと思います。ルーマニア民族舞曲の勢いのある音楽の流れや、ラ・ビクトワールでの声部間の受け渡しはほれぼれしますが、ラ・デリクールやデュボワではもう少し肩の力を抜いた軽妙洒脱さを感じさせてほしかったです。また、これは趣味の問題ですがソナチネは微熱的な、とでもいいたい演奏で、さらにラヴェル特有の玲瓏な響きがほしくなりました。
まだまだこれから活躍していくこの団体、次はフランス以外の曲をもっと聴いてみたいものです。
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2001年8月、前作から1年後のリリースとなる本アルバムは、委嘱作品を含む、民族色の強い作品を中心に4曲が集められています。もっともそれはプログラム面だけで、演奏そのものはあまり土臭さを感じさせず、かつ曲の起承転結を押さえたスマートで若若しい演奏といえるでしょう。もちろん、個々人の技術的にはほとんど問題を感じません。ただ、個人的なシュミですが、もっと泥臭く、特にルーマニア民謡の主題による組曲はキメやフレーズにアクの臭さを感じたかったというのが正直な感想です。またアヴェ・マリアは非常にシンプルな編曲だけに、演奏者が「何を表現したいか」が課題になりそうですが、私にはいまひとつ共感を得るところがありませんでした(端正な演奏であったことは確かです)。4人がどういった音楽を奏でたいのか、それが音として聴こえてくればより深みのある感動があったと思うのですが。。。
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アルバム第3作目は小品集。モノクロのジャケットがイイ雰囲気です。どの曲もなじみの深い曲で、どんな"アルディ"らしい演奏を展開してくれるのか楽しみだったのですが、ちょっと期待が過大だったのかな? きっちり演奏されているその向こう側にある演奏者の顔が私には見えなくてちょっと残念でした。ただこれは、分散和音などの扱いがやや単調に感じた編曲が多いことや、優秀な録音にもかかわらず我が家の貧弱な環境で控え目な音量でしか聴いていないことも原因でしょう。無伴奏チェロ組曲の編曲や、喜びの島のテンション、ラルゲットの内省的な響きは実演ではさもありなむ、と思うのですが、全体にストレートに感情に響いてこないのはどうしてだろう?? 私は残念ながらアルディSQの演奏を生で聴いたことがないので、やはりこれは一度聴きにいかなければ、、
なお、一部の曲はアルディSQのウェブサイトからレンタルの申し込みができるようですので、トライしてみたいと思います。
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結成15周年記念と題されたアルバム。15年といえば、国内ではキャトゥル・ロゾー(は"貫禄"かな)、アルモSQ、トルヴェールSQと同様、団体として成熟期にあるといえるのではないでしょうか。それを意図するかのように、今回の選曲は意欲的。そして、どの曲も技術的に鮮やかに吹ききっています。しかし私にとっては、演奏に共感できる部分がほとんどなかったのが残念。たとえば、8分音符と3連譜はみごとにきっちり吹き分けられていますが、そこにかかる音楽の重みの差まで感じ取ることができませんでした。いったい、彼らは何を(これらの音楽を通じて)訴えようとしてるのだろう? やっぱり、生の演奏を聴きに行かないと、かなぁ。。