Quatuor de Saxophones Jean-Yves Fourmeau


  • Jean Yves FOURMEAU, Soprano
  • Pierric LEMAN, Alto
  • Stephan LAPORTE, Tenor
  • Joël BATTEAU, Baritone

1979年に結成。全員パリ国立音楽院にて一等賞を受賞したメンバで、リーダのフルモーは有名ですが、アルトのルマンはガルシュ芸術学校学長やコンセール・コロンヌのソリスト、バリトンのバトーはルーベ音楽院の教授といった、そうそうたるメンバです。たびたび来日し、シリアスな現代曲から軽い曲まで多彩なプログラムを素晴らしい音色とアンサンブルで聴かせてくれています。1995年までは Guy DEMARLEがテナーを担当していましたが、惜しくも亡くなり、ラポルトが代わりに参加して現在に至ってます。フランセの小組曲の2楽章でパフォーマンスを演じてみせたり、ロータのパッサレラでレコード針が飛ぶ様子をおどけて表現してみせたり、茶目っ気もたっぷり。現役フランスのカルテットの横綱格。なお、ヤマハのサポート・アーティストです。



主なアルバム


「Quatuor de Saxophones J.Y.Fourmeau en Recital」

ADDA 590 005
1989/5
  1. サバの女王の登場 (ヘンデル)
  2. サクソフォン4重奏曲第1番 (サンジュレー)
  3. アヴェ・ヴェルム・コルプス (モーツァルト)
  4. つむぎ歌 (メンデルスゾーン)
  5. 協奏曲より 序曲 (ヴィヴァルディ)
  6. ダンス (ロッシーニ)
  7. 異教徒の踊り (ショルティーノ)
  8. トラヴェリング組曲より (アレッサンドリーニ)
  9. クール・ダシース (アレッサンドリーニ)
  10. ポップ・エン・レ (プティ)
  11. ドギー・ジャズ (ロシュ)
  12. カスケード (ジョプリン)

ADDAレーベルに録音されたリサイタル・アルバム。次に紹介するアルバムとほぼ同時期の録音で、曲もほとんど重複しています。当然ながら曲の作り方・演奏の方向性も基本的に同じですが、後半に収録された軽めのアンコールナンバーこそ、フルモーSQの本領発揮でしょう。大曲がないのでインパクトに欠けますが、軽めの曲でも、曲の楽しさを損なわず、かつ文句のつけようのない演奏は感心することしきり。入手困難なのが残念です。

オススメ度:


「華麗なるサクソフォン・アンサンブルの世界」

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コジマ録音 ALCD-3021 1989/8/29-30 入間市民会館
  1. 合奏協奏曲より (ヘンデル)
  2. 3つの小品 (スカルラッティ)
  3. アヴェ・ヴェルム・コルプス (モーツァルト)
  4. サバの女王の登場 (ヘンデル)
  5. 異教徒の踊り (ショルティーノ)
  6. スペイン組曲より セヴィリャ (アルベニス)
  7. アンダルシアの騎士 (ヴェローヌ)
  8. ゴリウォーグのケーク・ウォーク (ドビュッシー)
  9. ダンス (ロッシーニ)
  10. トラヴェリング組曲より (アレッサンドリーニ)
  11. クール・ダシース (アレッサンドリーニ)
  12. グラーヴェとプレスト (リヴィエ)

1989年来日時の記念録音。帯に「全日本吹奏楽連盟推薦」とあります。小品がほとんどですが、ところどころアンサンブルコンテスト向けの曲が入っている編集になっているのが推薦理由でしょうかねぇ。肝心の演奏は悪くないのですが、録音のせいかベースラインがよく聞こえず、上っ面だけ滑った演奏に聞こえるのが残念。。


「The Art of The Jean Yves Fourmeau Saxophone Quartet」

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Rene Gailly CD87 088 (P)1994
Airophonic 5411499 80002
  1. イタリア協奏曲 (バッハ)
  2. アダージョ (バーバー)
  3. 海の嵐 (ヴィヴァルディ)
  4. タンゴの歴史より Cafe 1930・Night Club 1960 (ピアソラ)
  5. 忘却 (ピアソラ)
  6. ラ・パッサレラ (ロータ)
  7. 白日夢 (ヴァイニェイン)
  8. フォーク・ダンス (ヴァイニェイン)
  9. 謝肉祭風 (ルイパールツ)
  10. 水晶玉 (ハメル)
  11. テイク・ファイヴ (ブルーベック)

ベルギーの Rene Gailly レーベルに初めて録音したアルバム。前半にクラシカルな曲を、後半にアンコールピースなどで演奏されるような曲を集めています。イタリア協奏曲はアルモSax.Q.の栃尾氏の編曲で、アルモの演奏と聴き比べてみるのもおもしろいでしょう。3楽章ではバリトンが楽譜通りに吹けなくて落ちたりしてますが、ご愛敬。フランス風エスプリのしっかり利いた演奏で、中でも水晶玉は思わず笑いを誘います。

オススメ度:


「French Masterpieces」

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Rene Gailly CD87 134 (P)1997
Airophonic 5411499 80052
  1. アンダンテとスケルツォ (ボザ)
  2. サクソフォン4重奏曲 (デザンクロ)
  3. 民謡風ロンドの主題による序奏と変奏曲 (ピエルネ)
  4. サクソフォン4重奏曲 (デュボワ)
  5. グラーヴェとプレスト (リヴィエ)
  6. 小組曲 (フランセ)

アルバム名どおり、フランスのオリジナル曲をバランスよく集めたアルバム。グラーヴェとプレスト「華麗なるサクソフォン・アンサンブルの世界」にも収録されていますが、こちらの方が響きや曲の流れが自然でよいです。いろいろな団体が録音している定番曲ですが、どの曲もトップクラスに入る仕上がりです。欲をいえば、フランセを始め、全体に少し力を抜いてほしかったな。

オススメ度:


「CINESAX」

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Rene Gailly CD87 159 (P)1999
Airophonic 5411499 80022
  1. ミッション・インポイッシブル (シフリン)
  2. ピンク・パンサー (マンシーニ)
  3. マニックス (マンシーニ)
  4. ピーター・ガンのテ−マ (マンシーニ)
  5. ドクター・ノーのテーマ (ノーマン)
  6. 皮の山高帽 (ジョンソン)
  7. 雨にぬれても (バカラック)
  8. アマルコルド (ロータ)
  9. ラ・ストラーダ (ロータ)
  10. 8 1/2 (ロータ)
  11. ムショーの3つの覚え書き (デレルー)
  12. トラヴェリング・アヴァント (アレッサンドリーニ)
  13. 海辺の小部屋 (コスマ)
  14. シラノ・デ・ベルジェラク (プティ)
  15. 42番目 (レグランド)
  16. アラビアのローレンス (ハール)
  17. ウェストサイド物語 (バーンスタイン)
Jean=Yves Fourmeau Saxophone Quartet
Alain BEGHIN (percussion)
Roger FUGEN (drums)

フルモーSQの最新譜はタイトルどおり映画音楽を集めたアルバムで、編曲はすべてアレッサンドリーニによるものです。相変わらずフルモーSQの腕は達者で、冒頭のミッション・インポッシブルのスピード感はなかなか。また、最後のウェストサイド物語メドレーの演奏は、心なしか他の曲と違って気合いが感じられました。一方ピンク・パンサーピーターガンなどはもっとネバネバした演奏を期待してしましましたし、アラビアのローレンスも全然アラビアっぽくないですし、期待はずれの面も少なくありませんでした。なんというか、すべての曲が「文部省推薦青少年向け映画」的映画音楽になってしまってるような。。。

一部タイトルは私が直訳したので、一般的な邦題と異なっているものがありましたらご指摘ください。

オススメ度:


「Live in Matsumoto」

(no number)
2002/10/31 ハーモニーホール、松本
  1. 協奏曲より 序曲 (ヴィヴァルディ)
  2. G線上のアリア (バッハ)
  3. 協奏曲 ト短調 (ヴィヴァルディ)
  4. 民謡風ロンドの主題による序奏と変奏曲 (ピエルネ)
  5. ボレロ (ラヴェル)
  6. ずっとずっと昔 (ピアソラ)
  7. リベルタンゴ (ピアソラ)
  8. ヴェニスの謝肉祭の主題による変奏曲 (プティ)
  9. アンディフェレンス (ムレナ)
  10. ドギー・ジャズ (ロシュ)
  11. スペイン (コリア)
  12. 水晶玉 (ハメル)

2002年の来日の際のライヴ録音。バッハ、ピエルネ、ヴィヴァルディ、ピアソラ、、と私たちになじみのある曲を中心に構成されています。1曲目は、おそらく演奏しながら/会場を回りながらの登場なんでしょうね、ライヴならではの遠近感を聴き取ることができます。どの曲も、これまで何度も繰り返し演奏してきている曲のようですが、それでもマンネリに陥らず常に輝かしい音楽の響きを聴かせてくれるのはさすがとしか言いようがありません。中でもプティの変奏曲は、主題に続くヴァラエティにとんだ変奏が続く楽しい曲で、生演奏を聴いていたらさぞエキサイティングだったことでしょう。水晶玉も相変わらずの演出で、光景が目に浮かぶようです(DVDにならないでしょうかね)。このCDを聴く限り、もちろん技術的な高さは十分クリアした上で、エンターテーメント性も備えた彼らの演奏スタイルはまだまだ健在のようです。


「Le Bal」

Airophonic 5411499 80062
2005/5-6 Sound Recording Center Steurbaut, Bergium
  1. 展覧会の絵 (ムソルグスキー)
  2. 舞踏会 (エスケッシュ)
  3. リトル・スリーペニーミュージックより (ヴァイル)

最新のアルバムは、タイトルになっているエスケッシュの新曲舞踏会に、展覧会の絵(全曲!)とリトル・スリーペニーミュージックからの抜粋という意欲作。しかし、けして力むことなく、始終美しい音色とハーモニーで、聴いている私たちを幸せな響きに包んでくれるのは、さすがフルモーSQならではです。展覧会の絵では、時々(編曲のミスか?)不思議な響きがしますが、


「Fresque」

Robert Martin R 961 M CD
  1. 葬送と勝利の大交響曲 (ベルリオーズ)
  2. フェイス・ア・フェイス (ノレ)
  3. トロンボーンと吹奏楽のためのコンチェルト・ダ・カメラ (フェルノ)
  4. サックストーリ (ノレ)
  5. 2つのタブロー (ポンミエ)
Benoit GIRAULT 指揮 フランス国家警察音楽隊
Gilles MILLIÈRE (trombone) [c]
Quatuor de Saxophones Jean=Yves Fourmeau [d]

最後に、吹奏楽にゲスト参加したアルバムを。録音のせいかこのアルバムの印象はいま一つですが、それでもアルバムタイトルの葬送と勝利の大交響曲は、気合い充分の演奏です。フルモーSQの参加したサックストーリの作曲者であるノレは、ジャズの要素を取り入れた軽めの作品が多く、それもソロ楽器と吹奏楽を対比させるサウンドの曲が得意のようです。この曲もエンターテイメントに徹して名人芸を楽しむ分には悪くありません。誤解をおそれずに言えば、スーパースターによる娯楽曲として楽しむのが正しい聞き方、かな。ギャルドとパリ警視庁以外にも、フランス編成で頑張っている吹奏楽団があるというご紹介を兼ねて。

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