The Fairer Sax


全員女性です。1982年、ソプラノとアルトのレーン姉妹を中心に、ロンドン音楽学校の卒業生で結成されました。1985年12月にサウスバンクのパーセル・ルームでロンドン・デビューを果たし、以来さまざまなフェスティヴァルに招かれています。1986年にはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの招きでロンドンのバービカンで演奏、翌年にはスコットランド方面へツアーを行ない、1987年にはエジンバラ・フェスティヴァルでも演奏したようです。1988年には日本で行なわれたワールド・サクソフォン・コングレスにも参加し、翌1989年には "Women and Saxophone" と称して日本ツアーを行なっています。

目下のところ、CDは以下の3枚(他に末聴ですが Collins から「Blowing Hot and Cool」という4重奏のアルバムが出ていました)が確認できただけですが、これ以後はどうしているのでしょう? バリトン奏者のミルスがぬけて(現在はノーザンSQで活動中)、完全にポップス/ヴィジュアル・バンド化してしまったのでしょうか? 女性オンリーの団体ということでアイドル的ノリも残しつつ、技術的にもなかなかのレベル、と期待していたので、今後再び姿をあらわしてくれることを期待しています。



主なアルバム


「Diversions with the Fairer Sax」

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Saydisc CD-SDL 365
1987/4 Forde Abbey, Chard, Somerset
  1. サバの女王の登場 (ヘンデル)
  2. サクソフォン4重奏曲 (デュボワ)
  3. 異教徒 (プレトゥリアス)
  4. ソールズベリー伯爵のパヴァーヌ (バード)
  5. 教典とスプリング・ダンス (プレトゥリアス)
  6. ロバート・バーンズ組曲 (ハーヴェイ)
  7. 幻想曲とフーガ ト短調より フーガ (バッハ)
  8. 気まぐれな風 (パターソン)
  9. G線上のアリア (バッハ)
  10. モーメント・ミュージカル (シューベルト)
  11. サクソフォン4重奏曲 (ガードナー)
  12. サムシング・ドゥーイング (ジョプリン)

イギリスのマイナーレーベルからリリースされているアルバムですが、強力にオススメな1枚です。表裏のジャケは、着飾ったメンバ4人がポーズを取っていて、限りなくアイドルチックなのですが、演奏内容はかなりのレベル。リリース後10年にもなるのに、まだカタログ落ちしないということは、やっぱり人気CDなんでしょうね。是非一度お聴きあれ。(ただし、レーベル自体が2001年に活動を停止したという情報があり、今後は入手が難しくなりそうです)

冒頭のサバの女王の登場を聴いただけで、スマートでスピーディな演奏に引き込まれます。次のデュボワの演奏も、エスプリというよりスタイリッシュですが、これはこれでなかなかの出来。プレトゥリアスバードの作品も快活でよいですし、なんといってもアルバムタイトルになっている気まぐれな風(Diversions)は名曲! 思わず楽譜を買ってしまいました。(が、ムズカシイです-泣)1楽章で主題も勢いよく飛び回ってますし、2楽章のけだるい雰囲気も健全に?演奏され、3楽章のルール・ブリタニアも、一つ一つの変奏がキッチリ表現されてます。この曲、是非実演を聴いてみたいですね。バッハジョプリンの演奏がちょっと中だるみっぽいのは残念。

オススメ度:


「The French Collection」

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Collins Classics 11302
1990/1 Snape Maltings
  1. 小組曲 (フランセ)
  2. パヴァーヌ (フォーレ)
  3. サクソフォン4重奏曲 (デザンクロ)
  4. アンダンテとスケルツォ (ボザ)
  5. グラーヴェとプレスト (リヴィエ)
  6. 「アルルの女」メヌエット (ビゼー)
  7. アラベスク 第1番 (ドビュッシー)
  8. 民謡風ロンドの主題による前奏と変奏曲 (ピエルネ)

一転、オール・フレンチ・プログラム、それも有名どころをしっかり押さえてあるというアルバム。こういう路線になると、ちょっと実力的に弱さが見えるのが残念です。そこそこのレベルではあると思うのですが、何かが物足りないんですねー。なんだろう?? 下手なたとえですが、美味しいフランス料理をビールで流し込んでいるような不釣り合いさを感じました。明らかなミスもいくつかありますし。ちょっと期待をして買っただけに、残念でした。


「Comparing Notes !」

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Lambourne 13542 (P)1991
  1. シング・シング・シング
  2. ラテン・アメリカン・メドレー
  3. チュニジアの夜
  4. ムーチェ
  5. ブロウ・ガブリエル・ブロウ
  6. 涙を拭いてくれる人もなく
  7. ゴット・ア・マッチ?
  8. バンブル・ビー・ブギ
  9. アナトミー・オブ・ア・マーダー
  10. ブルー・ラウンド・ア・ラ・ターク
  11. クライ・ミー・ア・リヴァー
  12. マイ・ベイビー・ジャスト・ケア・フォー・ミー
  13. イン・ザ・ムード
  14. シット・ダウン・ユア・ロッキング・ザ・ボート

またまた一転、バリトン奏者が抜けて、ジャケを見る限り今度は完全にセクシー路線。プログラムはジャズのスタンダードを中心に、なんでもあり。リズムセクション隊の援護を受けて、メンバ自身が歌うは、踊るは(踊ってるところは見えませんけどね)。正直なところ、私にはこのアルバムはどう評価していいのか分かりません。フェアラー・サックス監修のサクソフォン+リズムセクションのアンサンブル・スコアが出ており、おそらくこのCDはその音源になってるものと思われます。(未確認)

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