1968年にダノヴィッチによって結成された4重奏団。全員、カナダのモントリオールにあるマギル大学に関わりのあるメンバです。1988年に行なわれたワールド・サクソフォン・コングレスに際して来日しました。アルトのフリーマンとテナーのケステンベルグは、モントリオール交響楽団のレコーディングに参加したこともあるので、おそらく知らずのうちに彼らの音を耳にしているのでしょう。現在、ヤマハの楽器を使用しているようです。なお、バリトンのニューマンは女性です。
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CBC(カナダ国営放送)からのリリースなので、もしかしたら放送用音源のCD化なのかもしれません。心なしか、曲によって音の状態が異なるような気もしますし。曲目を見ておわかりのとおり、クラシックの名曲の編曲を中心に、親しみやすい曲のオンパレードです。セヴィリャの理髪師やくるみわり人形の編曲はかなり無理があるような気がしますが、それはそれとしてこの団体のエンターテーメント性のあらわれととるべきでしょう。中でも、くるみわり人形の「花のワルツ」の、原曲でハープが華麗にカデンツァを奏でるところを、サクソフォン4本で必死で?演奏する様は、微笑ましくもあります。(失礼!)
一方でバッハの組曲は装飾音の解釈などに工夫のあとが聴き取れます。このアルバムで楽しめたのはデリベラの小品と3つの前奏曲。デリベラの曲は哀愁の漂うメロディと低音の力強い演奏が印象的。3つの前奏曲では、ジャズっぽさを出すための独特のアーティキュレーションや、2曲目の中間部が力強くあっさり駆け抜けるなど、ユニークな解釈が楽しめました。ただ小組曲の最後がクレッシエンドしてフォルテで終わるのは、どうも違和感が。。。
McGillレーベルへは2枚目の録音は、彼らの4作目のアルバムで、サクソフォン発明150年記念とサブタイトルが付けられています。ゲストにルソーを迎え、5重奏やダノヴィチと2重奏も披露しています。アンサンブル全体のレベルはまずまずですが、ダノヴィチの吹き方がちょっと癖があり、好みが分かれるところでしょうか。録音のせいもあり、全体に軽いサウンドで、サバの女王の入場のような曲ではそれが長所になっていますが、ヒンデミットやバッハではもうすこし重量感がほしいところです。なお、このCDを最初に買った時、プレスミスでノイズが入っており、レーベルにクレームの手紙を送りつけたら対応よく新品と交換いただきました。