1968年の結成ということは、もう30年も活動を続けていることになります。これまでサクソフォン・コングレスには6回出場、欧米をはじめ、日本にも来日したことがあるようです。また、1995年と1997年には台湾で公演を行ないました。メンバも途中で変わっているようですが、現在のメンバはアルトとテナーが若手、ソプラノとバリトンが年配です。
ソプラノ奏者のウェイン・リチャーズは、ノースウェスタン大学を卒業、フランス国立ボルドー音楽院に留学しました。1978年から1991年まではルーズヴェルト大学のサクソフォン・インストラクターをつとめ、現在はフリーのスタジオ・ミュージシャンとして活動しています。以前は、フレデリック・ヘムケSQのメンバとしても活動していました。
アルト奏者のポール・ブロは、アイオワ大学で学士を、ノースウェスタン大学で修士を取得しました。デポール大学とノースウェスタン大学で教鞭をとった後、現在はインディアナ州立大学の助教授となり、アメリカからカナダにかけて、広い範囲で演奏活動を行なっています。
テナー奏者のジョナサン・ヘルトンは、ノース・カロライナ音楽大学で学士を、ノースウェスタン大学で修士を取得し、フランスに渡りダニエル・デファイエとジャン=マリー・ロンデックスにも師事しています。現在はノースウェスタン大学で講師を務めるかたわら、ウィンストン・セーラム交響楽団を始め数々のオケのソリストとして活動しています。
シカゴSQの創設者の一人であるバリトン奏者のジェイムス・カスプルツィクは、ノースウェスタン大学で修士を取得、現在はヴァンダークック音楽大学の助教授で、またソロや4重奏曲の編曲を積極的に行なっています。
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Centaurレーベルからリリースされた、スカルラッティからジョプリンまで、サクソフォンのさまざまな要素を一枚のCDに納めたアルバム。どの曲もスマートに演奏していますが、そのせいであまり印象に残らないキライがあります。セヴィリャはわざわざ楽譜と異なる演奏をしているようですが、あまりしっくりきません。この団体ならではのレパートリを、しっかりした演奏で聴いてみたいものです。
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インディアナ州立大学ウィンド・アンサンブルの録音をリリースしている True Media Records からのリリース。4重奏のコンチェルトが2曲、(4重奏団のアルト奏者)ポール・ブロのソロによるソプラノの協奏曲が1曲含まれています。どの曲も調性とリズムがはっきりした曲で、サクソフォン4重奏内でのかけあいや、4重奏とバンドとのかけあいなど楽しめる個所が多く、なかなか気に入りました。シカゴSQの演奏も快活で、各楽器による音色の違いはありますが、全体で大きな一つの音楽を作り上げていています。アルバムタイトルになっているカプリチォは冒頭からエンディングまで典型的なアメリカのオリジナル曲の響きがして、演奏会ウケもしそうなので、日本でも実演の機会がないかなぁ。またコンチェルト・グロッソはもともと東京佼成WOの委嘱で書かれた作品、せっかくなら委嘱者での録音を聴いてみたいものです。佼成+トルヴェールでの録音が実現しないものでしょうか。。
シカゴSQの最新アルバムは、みてのとおりオリジナル曲で固められた意欲作。録音のせいもあるのでしょうが、今まで聴いたシカゴSQのアルバム中最も完成度の高い内容と感じました。シカゴSQに捧げられたハーディングやラウアーの作品は初めて聴きましたが、響きこそ少し現代的ですが、作風は古典的な流れを汲む内容で、曲としてもなかなかおもしろく聴けました。アマチュアが積極的に取り上げてもおかしくない曲ではないでしょうか。D.ウィルソンのエスケープ・トゥ・ザ・センターは、さまざまな要素が6分間に凝縮された濃い作品。アルモSQやエンパイアSQの演奏もありますが、ここではさらに凝縮感がほしかったな。で、どうしても私の耳はフロリオの4重奏曲にいってしまうのですが、こちらはもう少し古典的な清楚感、愉悦感を感じたかった、、というのは私のわがまま。現代の作曲職人(と勝手に思っている)デル=ボルゴのネアカ真面目な曲こそ、この団体の持ち味がフルに発揮されています。
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