1997年のオランダ・ナショナル青少年管弦楽団のツアー後に結成されました。その後アルト奏者が2度交代し現在は上記のメンバで活動しています。アルメール室内楽賞、グスタフ・ブンケ・コンペティションなどで高い評価を得ています。
2002年12月には来日しコンサートも行ないましたが、来日当時のアルト奏者佐藤尚美氏は、東京藝術大学を卒業後アムステルダム音楽院に入学、この間須川展也、冨岡和男、新井靖志、アルノ・ボーンカンプの各氏に師事しました。1998年の第2回アドルフ・サックス国際コンクールでセミファイナリストに、また1999年には第3回グスタフ・ブンカ国際サクソフォンコンクール第3位に入賞しています。2001年にはパリ国立高等音楽院に交換留学、クロード・ドゥラングルにも師事しています。
2002年3月にリリースされた、オランダをはじめとした現代音楽を集めたデビューアルバム。現代音楽といっても、不協和音こそあるものの耳をガンガン刺激するような曲ではなく、抒情的な響きが多く、落ち着いて楽しむことができました。特に冒頭のソー・ソフトリーは、理屈ぬきに美しい響きに浸れました。また、エストニアの船舶事故をきっかけに書かれたという哀歌も端々に"ラメント"を感じさせる曲で、フレッシュで繊細な音楽を感じることができました。アルバムタイトルにもなっているストレート・ラインは、ロックのベースラインを思わせるバリトンの動きと、ノン・ヴィヴラートで奏される中高音との対比が印象的。これからさらに活動が期待できそうな予感を感じたアルバムでした。
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アルバム2作目は、比較的親しみやすい作品を集めたアルバム。無伴奏チェロ組曲は、ソロ曲である原曲に大胆に和声をや対旋律をつけた編曲。また悲愴の編曲は、ありそうでなかったピアノソナタ曲の編曲という点で貴重ですが、貴重なだけでなくその響きはなかなか魅力的。演奏は、全体にゆったりとした曲での音の密度が適度に心地よく、その点フランクやペルトの曲が印象的でした。さらにユーモアや大胆な表現が加わると一層曲の深みが増すと思うのですが、しかしフレッシュな解釈は十分楽しめる内容です。
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オランダの作曲家を中心に構成された1作目、比較的なじみやすい曲が中心の2作目に続いて、3作目はバルト諸国の作曲家による作品を集めた内容。なるほど、ここまでアルバム・コンセプトが周到に練られていることをうかがわせます。このアルバムに収められた曲は、一部編曲作品を含みますが、バルト諸国で活躍する作曲家たちの諸相を垣間見ることが出来ます。アルヴォ・ペルトのソルフェジオは、ドレミファソラシドの音列を4本で順番に重ね合わせただけのわかりやすいコンセプトの作品。パリ・インターヴァロとあわせて、いかにもペルトらしい、遅いテンポの中にも少しづつ前進を続ける音楽展開が感じられます。どの曲も方向性は異なるものの、実験的な要素を含みつつ、根底にあるのはオーソドックスな西洋音楽のエッセンスであり、自分たちの音楽を探ろうとしている作曲家の姿を、演奏者が一緒になって試行錯誤して具現化しようとしている様子が受け取れました。
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ASQに献呈された曲を含む、現代作品をあつめたアルバム。年1枚ペースでアルバムを意欲的に発表してますが、その内容はますます充実してきていて嬉しい限りです。CDを聴く限り技術的な不安はまったく感じません。どれも理解しやすい作品とはいえないのですが、安定した演奏で曲に対する理解の糸口がみつかります。特に、絵画にインスパイアされて作曲されたというエスポワールでのしみじみとした抒情感、アトランティカにおける深遠さが印象に残りました。この団体、ゆっくりとした曲との相性がよいように思います。
XAS、ラッシュという選曲から、もしかして彼らもハバネラQ同様、大阪国際室内楽コンクールを狙っていたのでしょうか??
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着実に、しかも意欲的にアルバムをリリースしてくるアムステルQ、今度のアルバムは大作3曲。19世紀のフォーレ、20世紀のグラズノフ、21世紀(苦しい、、)のグラスという、時代も方向性も異なる難曲そろい。解説に曰く、サクソフォンのレパートリの基準となる作品、、だからジャケットが、異なるグラス(P.グラスを意識?)が水が同じ高さに注がれた状態で並んでいるのですね。
ひとことで言えば、実に洗練された現代的な演奏です。音色の華麗さにおぼれることなく抑制を効かせ、曲の構造を明瞭に浮かび上がらせるアプローチは、演奏者の年代がほぼ同じと思われるハバネラQと共通性を感じます。よく練られたアンサンブルで演奏されるフォーレの立体的な響きや、終楽章に向けて加速的に純度を増すグラズノフは、彼らの充実した活動振りをうかがわせます。グラスではもっと万華鏡的なきらめきを感じたかったのですが、これは個人的な趣味の問題でしょう。グラスらしいアルカイックな不思議な宇宙はたしかに再現されています。
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