わりと古くから活動しており、ジャズの要素の強い曲も積極的にプログラムに取り上げています。
この団体の創設者でもあるソプラノのレグニは、ニューヨーク・フィル、メトロポリタン・オペラ、ニューヨーク・シティ・バレエなどの第1サクソフォン奏者を務める傍ら、Open Loop、CRI などのレーベルからソロアルバムをリリースしています。アルトのデムシーは彼のページをご覧ください。テナーのキャロルは、ニューヨーク・フィルの第2バスーン奏者であり、またジュリアード音大で教鞭を取っています。バリトンのゴメスはニューヨーク・フィル、ニューヨーク・シティ・バレエにしばしば参加する一方、ニュージャージー交響楽団のバスクラリネット奏者でもあります。また、タングルウッド・フェスティヴァルでのボストン交響楽団の室内楽メンバーや、オルフェウス室内合奏団のレコーディング・メンバーとしてもクレジットされています。
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Sons of Soundレーベルからのリリース。ジャズの要素の強い曲が2曲入っています。スカルラッティの出だしは軽妙でゴキゲンなのですが、ところどころ運指ミスと思われるアヤシイ音が出ているのが気になります。だんだんプログラムが進むにつれ、リズムを強調してほしいとか、テンポ設定が気になる(たとえば、タンゴの歴史の1・3楽章など、かなり遅いです)とか出てきて、フラストレーションがたまってしまいました。リタルダンドが必要以上に多いのも気になりますが、タンゴの歴史の現代のコンサートやナイトクラブ1960の中間部のテンポを落として、前後のコントラストをつけている点はオモシロイと思いました。
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まず、ボブ・ミンツァーがレコーディングに参加しているのに驚きました。あらためてCDを見ると1984年に行なわれたレコーディングの再プロデュース盤だそうです。さらに確認すると、バリトンのジョージ・マージ氏は1985年に亡くなったとのこと。
さて、演奏は、前にご紹介したアルバムと同一の団体か?と思うほどの充実ぶり(メンバはだいぶ変わっていますが)。絶妙なテンションの高さと爆発的な、しかし充分コントロールされた勢いが細部まで感じられて、とても楽しめました。どの曲もレベルの高い演奏ですが、中でもこの団体に献呈されたバーブの4重奏曲や、インプロヴィゼーションがボブ・ミンツァーというソリスト名入りで紹介されているチャントフラーが特に充実感を得ることができました。このチャントフラーの作曲者、よくみてみたら、日本でも人気の高いマンハッタン・ジャズ・クィンテットのリーダ兼トロンボニストのデヴィッド・マシューズ氏。なるほど、みごとにジャズのエッセンスがちりばめられた曲の構成に、思わず納得です。
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題名どおり、委嘱作品、それもクラリネットとサクソフォン4重奏のための作品ばかりを集めたアルバム。しかも、ゲスト・ソリストは1978年以来シカゴ響の首席奏者でありジャズ奏者としても知られるラリー・コーム、作曲家としても有名なパキート・デ=リベラ、自身のカルテットで活躍するロン・オドリッチ、というクラシック/ワールド/ジャズ界の著名奏者。これらのソリストとアメリカンSQが緊密な連携プレーを展開しています。クラリネットのソロとサクソフォン4本という編成はバランスが悪いのでは、と予想しましたが、まったくの杞憂で、クラリネットが堂々と音楽を引っ張り、サクソフォン群も邪魔せず強調してひとつの音楽を作り上げており、感服しました。遊びの部分をもっと前に出してもよかったのでは、と思う個所もありましたが、アルバムの意図する方向がきちんと伝わってくるという点で楽しく聴くことができました。
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