Quartetto di Sassofoni Accademia


1984年に結成以来、海外を含めて500回以上の演奏会をこなしているイタリアの4重奏団です。イタリア・サクソフォン演奏者協会の設立メンバであり、古今の曲をレパートリにとりいれているのはもちろん、モリコーネやマニーノといったイタリアの現代作曲家とも親交が深いようです。また、録音も積極的に行なっており、下記のアルバム以外にも、BMG、RAIといったレーベルからリリースされています。1988年には来日もしています。

全体的にイタリアらしい華やかな音色で、和音の響きも悪くないのですが、スタッカートやフレーズの終わりがぶつ切れになり気味で、私の趣味ではありません。また音域や音量によって不安定さを感じる部分があるのも気になります。

Official Site(伊語、英語 他)


主なアルバム


「FRENCH & AMERICAN MUSIC」

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Nuova Era 7139
1992/4/29-30 "Wonderland" Stadio, Roma
  1. 小組曲 (フランセ)
  2. サクソフォン4重奏曲 (デザンクロ)
  3. ガーシュウィン・メドレー (ガーシュウィン)
  4. 3つのインプロヴィゼーション (ウッズ)
  5. ジャズ組曲 (アヨ)
  6. ジ・エンターテイナー (ジョプリン)
  7. イージー・ウィナーズ (ジョプリン)

タイトルどおり、前半にフランスもの、後半にアメリカものをならべたアルバムですが、どうも楽しめません。フランスものはいまいち軽妙洒脱さがないし、アメリカものはイキオイやジャジーなフンイキが全然出てません。原因のひとつに、譜面の読みが甘いことがあると思うのですが。ソプラノ以外の楽器の音色は悪くないのですが、聴いていて退屈してしまいました。


「Hommage a SAX - XIX Century Original Works for Saxophones」

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Nuova Era 7211
1994/5/14, 6/15-16 Roma
  1. グランド・クヮルテット・コンチェルタンテ (サンジュレ)
  2. サクソフォン5重奏曲 (サヴァリ)
  3. サクソフォン4重奏曲第1番 (サンジュレ)
  4. サクソフォン4重奏曲 (フロリオ)
  5. サクソフォン4重奏曲 (モール)
  6. 祈り (ヨナス)
  7. サクソフォン4重奏曲 (サヴァリ)
クロード・ドゥラングル (saxophone)[b]

これまたタイトルどおり、19世紀、つまり楽器が作られた当初のオリジナル作品が集められていて、多くの作品が世界初録音となってます。サクソフォンのオリジナル作品にありがちな難解な曲はなく、すべて調整・拍のしっかりした古典音楽のように響きます。が、同時に、なぜ今まで埋もれていたかもわかってしまう気もします。ずばり、このアルバムの聴きものは、ドゥラングルが参加している5重奏曲でしょう。皮肉なことに、ドゥラングルのソプラノともう一人のソプラノの格の違いがよくわかる結果になっています。19世紀のサクソフォン4重奏曲を集めたアルバムとしてアルス・ガリカSQのアルバム「L'Aube du Saxophone」と聴き比べてみるのも一興です。


「Allegro Scherzando」

Dynamic CDS 188
1997/12/02,8 Teatro San Filippo, L'Aquila, Italy
  1. ラテンアメリカ4重奏曲 (ロメロ)
  2. ロッシーニ4重奏曲 (ロッシーニ)
  3. チャルダッシュ (モンティ)
  4. リトル・スリーペニー・ミュージックより (ヴァイル)
  5. アディオス・ノニーノ (ピアソラ)
  6. 忘却 (ピアソラ)
  7. リベルタンゴ (ピアソラ)
  8. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ (モリコーネ)
  9. アマルコルド (ロータ)
  10. ラ・パッサレラ (ロータ)

ダイナミック・レーベルからのリリース。全体に選曲が明るく楽しいものが多く、このアンサンブルの持ち味である陽気な唄心にマッチしてて、この団体のアルバムの中では一番楽しめます。ロッシーニ4重奏曲(Rossini ... per quattro)は、ロッシーニの数々の名旋律をメドレーに編曲したもので、こういった曲を吹いてサマになるのは、この団体とトルヴェール・クワルテットくらいなんじゃないでしょうかねぇ。編曲のせいでいまひとつ楽しめない曲もありますが、モリコーネニノ・ロータなどはまずまずイケます。

オススメ度:


「'round midnight jazz」

Dynamic CDS 262
1999/11/12-14 Teatro SW.Filippo, L'Aquila, Italy
  1. ニューヨーク組曲 (デ=リヴェラ)
  2. 3つのインプロヴィゼーション (ウッズ)
  3. 4重奏のための小品 (ソレーユ)
  4. ラウンド・ミッドナイト (モンク)
  5. 前奏曲とケルパ (ロメロ)
  6. フーガ・コン・パヤリヨ (ロメロ)

こちらもダイナミック・レーベルからのリリース。タイトルからも推察できるように、ジャズをはじめ汎アメリカ的な曲を集めています。3つのインプロヴィゼーションは、アルバムFRENCH & AMERICAN MUSICでも録音されていますが、こちらの演奏は早い早い、普通では9分台後半から10分かかるこの曲が、8分52秒の超特急で演奏されてます。ちなみに手持ちのCDではプリズムQの8分37秒が最速です。

また4重奏のための小品は小生とても好きな曲なのですが、今までピアセールSQの入手困難なCDしかなかったので、今回アカデミアSQによる録音が聴けたのはうれしさもひとしおです。デ=リヴェラロメロの曲も小気味よく楽しめました。録音のせいか若干一本調子の演奏に聞こえて残念ですが、選曲のよさで、おすすめマークをつけちゃいましょう。

オススメ度:


「Singelée: Fantasie, Concerti e Soli」

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Dynamic CDS 541
2003/3-2004/12 Auditorium "Nino Carlom" L'Aquila, Italy
  1. 幻想曲 op.50〜テナー・サクソフォンのための (サンジュレ)
  2. デュオ・コンチェルタンテ op.55〜ソプラノとアルト・サクソフォンのための (サンジュレ)
  3. 協奏曲 op.57〜ソプラノ・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  4. 幻想曲 op.60〜バリトンー・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  5. アダージョとロンド op.63〜テナー・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  6. 幻想曲「サヴォイの土産」op.73〜ソプラノ・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  7. 輝かしい幻想曲 op.75〜テナー・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  8. コンチェルティーノ op.78〜アルト・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  9. 演奏会用ソロ曲第3番 op.83〜バリトン・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  10. 演奏会用ソロ曲第4番 op.84〜テナー・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  11. 輝かしい幻想曲 op.86〜アルト・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  12. 幻想曲 op.89〜ソプラノ・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  13. 演奏会用ソロ曲第5番 op.91〜アルト・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  14. 演奏会用ソロ曲第6番 op.92〜テナー・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  15. 演奏会用ソロ曲第7番 op.93〜バリトン・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)
  16. 幻想曲 op.102〜ソプラノ・サクソフォンとピアノのための (サンジュレ)

既にアカデミアSQはサンジュレの4重奏曲や5重奏曲を録音していますが、数多くのソロ曲を1枚のアルバムにまとめました(今回は4重奏の演奏は含まれていません)クリスティアン・ペータースによる同様の企画とほぼ同じプログラムとなっていますが、こちらのアルバムは作曲番号順に並べてあるのが特徴です。ディオ・コンチェルタンテはペータースのアルバムになく、こちらのみの収録。2本の楽器が一緒になったりはなれたり、と軽妙で楽しい曲。もう少しフレーズの終わりや早いフレーズなどが丁寧に演奏されていれば、古典的な香りがさらに際立ったと思うのですが、、

オススメ度:

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