パリ音楽院でデファイエに師事、1982年に1等賞で卒業します。現在はパリ音楽院などで教鞭をとりながら、ピアノのラガルドとのデュオを組んで活動しています。このデュオは1990年にセルマー社のバックアップを受け、また同年にU.F.A.M.(って何 ^^;)の室内楽部門で1等賞をとっています。このほか、パリ管弦楽団やフランス国立放送管弦楽団、フランス国立歌劇場等のオーケストラとの共演、ルデュー・サクソフォン4重奏団のテナー奏者(現在はヤン・ルマリエに交代)としての活動といったクラシカルな面だけでなく、クロード・ボリングやスター・ラファリエなどのジャズ系のバンドでも活躍しています。またルデューSQの項にポルテジョワのソロを含んだものも紹介してますのでご覧ください。
タイトルに「20世紀のフランス音楽」とあるとおり、ラヴェルからブトゥリーまでオール・フレンチ・プログラム。ジャケットには各作曲家の顔写真がのっていて、録音当時健在だったデュボワ氏のひょうきんそうな顔がなかなかグッド。ポルテジョワの音色は終始明るく響くのですが、高音やフォルテの時にやや鋭い金属的な響きがするのが好みが別れるところでしょうか。その意味では、デファイエの音色にかなり近いと言えるかもしれません。しかしプロヴァンスの風景の終曲の軽妙さは聴きもので、3分22秒という演奏時間は 初演者ミュールの 3分20秒に次ぐ速さです。なお、ピアノのラガルドは女性です。
Check it amazon.com ! |
このアルバムもオール・フレンチ・プログラムで、曲によってソプラノ・サクソフォンやテナー・サクソフォンに持ち替えたり、クラリネットや声楽を交えた曲もあって、なかなか楽しめます。冒頭のラファリエは軽い曲。せっかくなら、ポルテジョワの別の顔であるジャズ奏者としての側面を聴いてみたいものです。ソプラノの近藤聡子氏(房子?)は日本人らしく、イタリア・オランダ・リオデジャネイロのコンクールで優勝、リートからオペラ、バロックからアヴァンギャルドまで幅広いレパートリをこなしているそうです。
Check it amazon.com ! |
映画音楽の作曲家としても知られるクロード・ボリングは、ジャズとクラシックを融合した作品を多く作曲しています。ボリングのクラシカルな作品を集めたこのアルバムから流れてくる音楽は、現代的な要素は(要素としてはさりげなく含んでいるものの)響きとして表に出てこないで、古典的なフランスのクラシック作品のよう。特に、木管3重奏による森の中でなどを聞いていると、サンサーンスあたりの作品かと思ってしまうほどです。サクソフォンとピアノによる蝶は、このアルバムの中ではちょっとシリアスな響きですが、それでもドビュッシーあたりの雰囲気でしょうか。ポルテジョアのサクソフォンも、リラックスした雰囲気が感じられます。サクソフォン作品以外では、日本の代表的フルート奏者工藤重典氏が参加している2曲が聴きもの。