ニュー・センチュリーSQのメンバ。ドイツのヴァルツブルグの生まれで、アメリカをはじめ各国で生活し、ノース・カロライナ・スクールでJ.フーリックに師事しました。ソロ活動およびニュー・センチュリーSQとしての活動のほか、地元のオーケストラで客演を行なっています。また、ダヴィドソン大学やノース・カロライナ・スクール、デューケンス大学ピッツバーグ校などで教鞭を執っています。
すべてテナーによるソロアルバム。ピアノまたは弦楽4重奏をバックに民謡を中心に、自作曲を含めて美しいメロディの曲で構成されています。ポロックの音色はフランス系の華やかなそれではなく、またアメリカのラッシャー氏の系列の、ヴィヴラートやフラジオ多用のそれではなく(フラジオはもちろん使うかどうかは曲によるのですが)、その中間で質実剛健なもの。クレジットを見ると、キャノンボール社製の楽器を使っているんですね。ふむふむ。曲が短くインパクト不足ではありますが、丁寧に、共感を込めて演奏されているのは充分伝わってきます。虹の彼方にはジャズ奏者ブランフォード・マルサリスとの2重奏。時折感じさせるマルサリスのジャジーな音の処理にドキッとしますが、2人の音楽のベクトルはしっかりひとつにあっています。