PETTERSSON, Jörgen


ヨリエン・ペッテションはスウェーデンで活躍するサクソフォン奏者。以下でご紹介したアルバムの他に、スウェーデンSQのアルバムにソロ演奏が収録されています。


主なアルバム

「SAXOPHONE CON FORZA」

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Phono Suecia PSCD 81 (P)1995
  1. トリオ・ソル (エドゥランド)
    Leif KARLBORG (saxophone) / Stefan BOJSTENM (piano)
  2. けがれを清めた給え (レーンクヴィスト)
    Susanne ROSENBERG (soprano)
  3. イントラ (モッテンソン)
    Magnus ANDERSSON (guiter)
  4. ポエム (エリアソン)
    Bengt=Åke LUNDIN (piano)
  5. ハーレクイン -2つの異国的舞曲- (カルコフ)
    Niklas BROMMARE (persuccion)
  6. 寺院 (リンドウォール)
  7. クライ・マイ・ドリーム (エクストローム)
    Bengt=Åke LUNDIN (piano)
  8. 10の絶壁 (フェリエ)

Jörgen PETTERSSON (saxophone)

冒頭のトリオ・ソルはサクソフォン2本とピアノのための曲で、曲もそうそう不協和音が響き渡るわけではなく、新鮮に聴こえました。途中、新しい主題の提示がピアノと1本のサクソフォンで奏でられるところなど、新鮮さにゾクっとしました。続くけがれを清めたまえはソプラノとサクソフォンのための曲で、ここでは楽器のごとく発せられるノン・ヴィヴラートのソプラノが、サクソフォンとともに緊迫した音を生み出しています。解説を読めば、エストニアの内戦を題材にした曲だとか。納得させられる演奏です。ポエムはギターとサクソフォン、異国的舞曲は太鼓系パーカッションとサクソフォン!というこれまた興味深い曲。後者の不思議な躍動感が耳に残ります。バス・サクソフォンのソロによる寺院(原題「Jiin」)は日本のお寺を題材にした曲ということですが、日本人がお寺に持つ「間」のイメージより、むしろ武士の真剣勝負のようなテンションの高さと破壊力(これが、外国から見た日本の姿なのかな?)に圧倒されます。クライ・マイ・ドリームでは超高音域が駆使されていて極限状態。そして最後の、サクソフォンとテープのための10の絶壁は、最初から最後まで休みなく難パッセージを吹きまくり、まさに絶壁の連続。ただ、解説によればこの「絶壁」は10ではなく11あるとか。。。分かりませんでした(苦笑)

多彩な編成による現代曲を吹きこなし、ヴィヴラートを使い分け、最後まで聴き手を離さないアルバムです。現代曲にアレルギーのない方にお勧めします。アルバムタイトルの「Con Forza」はダテではありません。上記コメントから想像つくように、聴きとおすにはちょっと体力が必要ですが。。。

Phono SuesiaのこのCDの紹介はこちら(英語、音源試聴可)

オススメ度:


「VILLA-LOBOS」

Proprius PRCD 9021
1988/10/16, 1989/2/28, 10/28-29 Sudios of the Swedish Broadcasting Co.
  1. 5つの前奏曲より 第1番・3番・5番 (ヴィラ=ロボス)
  2. 12の練習曲より 第4番・5番・7番・8番・11番 (ヴィラ=ロボス)
  3. ワルツ=ショーロス (ヴィラ=ロボス)
  4. 神秘的6重奏曲 (ヴィラ=ロボス)
    Ulf BERGSTÖM (flute) / Per ANDERSSON (oboe) / Jörgen PETTERSSON (saxophone) / Stefan NILSSON (celesta) / Kjell Axel LIER (harp)
  5. マズルカ=ショーロス (ヴィラ=ロボス)
  6. ブラジル風バッハ第5番より アリア (ヴィラ=ロボス)
    Anna=Lotta LARSSON (soprano)
  7. ガヴォット=ショーロス (ヴィラ=ロボス)
  8. ショーロス第1番 (ヴィラ=ロボス)

Mats BERGSTÖM (guiter)

1961年スウェーデン生まれのギター奏者マッツ・ベリストレムによるヴィラ=ロボス作品集。Propriusからリリースされたこのアルバムは、ギターの持つ(または奏者自身の持つ)繊細な音楽を堪能するに相応しいすばらしい録音です。演奏も、風通しがよく、しかも音楽がスムースに流れていて、楽しめました。南米の暑苦しさとは無縁な演奏ですが、こういう演奏もまた音楽のインターナショナル性を感じることができてユニークです。

PropriusレーベルのこのCDの紹介はこちら(英語)

「Within Trees Henrik Strindberg

Phono Suecia PSCD 124
1999/9/21[a], 2000/6/14[b], 2001/6/25-26[c], 2002/10/12-13[d] 1989/1/13[e]
  1. 選ばれた者〜ソプラノと管弦楽のための (ストリンドベリ)
    Annika SKOGLUND (soprano) / B.Tommy ANDERSSON 指揮 スウェーデン放送交響楽団
  2. 2台のピアノ (ストリンドベリ)
    Mats WIDLUND, Ann-Sofi KLINGBERG (piano)
  3. 希望〜アルト・サクソフォンと管弦楽のための協奏曲 (ストリンドベリ)
    Jörgen PETTERSSON (saxophone)Lü JIA 指揮 ノールチェピング交響楽団 ノールチェピング交響楽団
  4. チープ・スリル (ストリンドベリ)
    Jan RISBERG 指揮 SONANZA
  5. 樹の中に (ストリンドベリ)
    Friedrich GOLDMANN 指揮 スウェーデン放送交響楽団

1954年スウェーデン生まれの作曲家、ヘンリク・ストリンドベリの作品集。IRCAMでクセナキスのコンピューター・プログラミングの講座に出席したという経歴もあり、どの曲もいわゆる現代音楽的ではありますが、曲のフォルテの部分でもどことなく透明感や清潔感を感じる響きが印象的です。曲によってもずいぶん印象が違い、さすがに選ばれたのソプラノ=肉声による演奏は生理的にやや圧迫感を感じましたが、サクソフォン協奏曲である希望は、曲の最初からハ長調の明るい和音が聴こえてきて、思わず心が弾む気さえしました。もっとも明るい雰囲気がしたのは最初だけですが(笑)、ペッテションの安定した技術にも支えられて、複雑な理論の上に成り立っているであろう曲の響きは抵抗なく楽しむことができました。

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