1979年フランス生まれの若手サクソフォン奏者。6歳からクラリネットをはじめ、ボルドー国立音楽院でジャック・ネットのクラスを金賞で卒業、その後パリ国立音楽院でクロード・ドゥラングルのクラスで1等賞を得ています。数々のコンクールで受賞しており、たとえば2001年のミュンヘン国際コンクールでは3位、2002年のアドフル・サックス国際コンクール(原博巳氏が1位だった)では2位などの成績をおさめています。ソロ活動では2004年にはシュトックハウゼンと録音を行なうなど、現代音楽にも力を入れているようです。また、1998年に結成した Quatuor de Saxophones Carrè Mêlè ではソプラノ・サクソフォンを担当しています。なお、セルマーのサポート・アーティストでもあります。
なお、フランスには同姓のジャズ?サクソフォン奏者がいるようです。混同しないように!
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ピアノのサンガレ=バルスとのデュオ「Los Clavos」による、スペインおよび南米の曲集。1曲目のはかなき人生から、プティのあざやかな演奏が繰り広げられます。やや細めでストレートな音色はクラリネット奏者だったことが関係あるのでしょうか。ことさらエスニックさを強調するのでないのに、躍動感あふれる音楽は聴いていてため息がでるほど。技術的に卓越しているのは明らかですが、だからこそ自己主張(もちろんそのセンスはすばらしいのですが)も説得力をもちます。このCDから聴くことのできるプティの演奏は、たとえばハバネラSQなどの演奏と同様に、流れている音楽はサクソフォンの響きを伴っているけれど、どこか突き抜けてしまって音楽の核心を突いているように思うのです。さらにエスカペーダでは楽章ごとにソプラノからバリトンまで4本を持ち替えて佳演を聴かせるに至っては、さすがとしか言いようがありません。
なおアルベニスの組曲のうちグラナダはピアノソロによる録音。気分転換にちょうどよいタイミングに配置されていて、もしかしたらCD1枚をコンサートに見立てているのでしょうか。だとすると、、、アンコールが聴きたいな(笑)
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シュトックハウゼン出版のCDは、作曲者自身による(ミキシングも含めた)音楽監督によるもので、すなわち作曲者お墨付きの音源なのですが、残念?なことに高い、、、(1枚5000円以上しました 泣)しかし、シュトックハウゼン自身がどのような音楽(音響?)を目指して楽譜を書いたを確かめることができるのはやはり嬉しい限りです。シュトックハウゼン自身、これまで音色やバランスに強くこだわっており、自身の監督による媒体の存在は重要でしょう。
それにしても演奏者がジュリエン・プティとは、、、予想外でした。しかしもともとクラリネットのための作品愛のサクソフォン・ヴァージョンはプティに献呈されており、作曲者との親交は深いようです。どの曲でもまったく技術的な破綻が無く、かといってガチガチな堅い演奏でも無く、シュトックハウゼン独自の不思議な音世界を、プティは確実に表現しているようです。やはり、これらの作品は生で聴いてみたい。。
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サクソフォン+アコーディオン+コントラバスという編成のトリオ・クレツマー・クレツェルに、チェロとピアノが加わったアルバム。普通はヴァイオリンが主体なのをサクソフォンに変えた編成とみることができますが、その効果は抜群! ダブルタンギングやグリッサンドなどの奏法まで駆使し、サクソフォンの機動力と表現力が十分発揮された、ワクワクするような立体的な音楽に仕上がっています。一方、チェロが加わった曲はどちらかといえば抒情的でエキゾチックな趣き。知られている曲はシンドラーのリストだけですが、どの曲もきわめて洗練された演奏で楽しめました。
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