1968年生まれ、ドイツで活躍する女性サクソフォン奏者。ミュンヘンとエンシーデの音楽学校を卒業後、ジャン=マリー・ロンデックスやクリスチャン・ローバに私淑しました。ドイツ国内外で数々の賞を受賞しており、ソロ活動のほかにラージアンサンブルSaxperienceをはじめ様々な室内楽で活動しています。
ドイツのレーベルMusicomからリリースされているアルバム。下のアルバムも、ですが、有名な曲が並ぶ中、スポーティなソナティネがこっそり収録されている点、見逃せません。この演奏を聴いてけっこう気に入ったのですが、他の演奏者の方の録音はないのでしょうか?
演奏のほうは、とにかく真面目! 全体によく吹けており、ところどころに独特の解釈を織り込むなど、細部まで配慮が感じられますが、この路線でいくならばさらに完成度が高いことを望みたいところです。聴きながら、なぜか日本刀をイメージしてしまいました。ある程度刃は研いであるものの、名刀の持つ端正さ、品格、妖しい雰囲気、はまだこれからでしょうか。
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こちらのアルバムも、なかなか面白いプログラム。ソナタが3曲、これは偶然にもボーンカンプのソナタ・アルバムと重なっていて、どうしても耳が比較して聞いてしまうことになってしまいます。オットの演奏はここでも誠実、もう少し余裕としなやかさが欲しいところ。それでも、前のアルバムよりは演奏者の個性がマッチしているのか、ところどころに感じられる個性的な解釈は興味深く聴くことができました。一方ラプソディは楽譜にピアノ奏者の手が入っているようで、ピアノパートがかなり華やか。このアルバム最大の聴きどころは、バリトンのソロで演奏されるオキシトンでしょう。もう1曲テナーのソロによるハード・トゥ・ハードも、実演で聴いたらかなりのテンションだろうな、と予感させるもの。今後の活動に期待したいところです。
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こちらは比較的軽めの作品を集めたアルバム。どれも小粋で肩肘張らない、聴いて楽しい小品集です。ところどころテンポを大胆に揺らしながらも、全体には丁寧に演奏されています。そのせいか、ちょっとこじんまりとまとまってしまっていますが、曲の愉しさは伝わってきて、特に熊蜂の飛行やチャルダッシュでの適度なドライヴ感が印象的でした。ピアノの好サポートも好印象です。
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