1942年生まれ、オランダで活動するサクソフォン奏者。王立ハーグ音楽院でクラリネットをジョン・ホックリーデに、サクソフォンをエイドリアーン・ボッシュに師事しました。1960年から70年の間ビッグバンドに所属し、自身のクインテットを結成する一方、1969年にネーデルランド・サクソフォン4重奏団を設立、リーダとなります。現在は王立ハーグ音楽院で教鞭をとりながら、ソロ活動、オーケストラへの客演、メトロポール・オクテットのメンバとして、またオランダ交響楽団、シェーンベルグ・アンサンブル、エボニー・バンド・アムステルダムなどのフリーランス奏者として活動しています。
以下でご紹介したアルバムのほか、ネーデルランド・サクソフォン4重奏団のページもご覧ください。
ヴィードーフの曲を集めたアルバム。だと思うのですが、作曲者名が明記されておらず、一部自信なし m(..)m。オーストロームはC管サックスを吹き、ヴィードーフのスタイルをモダンにした演奏。音楽は充分コントロールされ思いきりドライヴがかかってますが、そこそこ破目をはずしつつ下品にすぎないところがさすが、、、なんてそんな小難しい理屈をこねず、気軽に楽しめるアルバムです。
なお、収録時間が40分弱、アナログ録音ということは、LPのCD化かも知れません。
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ネットサーフィン中、ふとしたことでこのCDを発見。たまたま連絡先として書かれていた Simon FOX 氏にメールし、数度のやりとりの結果、無事入手するとができました。まずは、たどたどしい英文メールに付き合ってくれた&物好きな(失礼) Simon FOX 氏に感謝です。
さて、その Simon氏、実はレコーディング・プロデューサでして、このCDも録音を担当しています。のみならず、実は1曲目組曲の作曲者であるハンス・ガル氏の孫にあたるそうです。で、贔屓目にみるわけではありませんが、録音はオーストロームの演奏の本質をしっかり聴かせることに成功しています。奏者とプロデューサ双方の「愛情」を感じます。もちろん演奏そのものもすばらしく、正面から音楽に正攻法で取り組んだ結果がCDから聴こえてきます。シュルホフやヒンデミットも堂々とした演奏で、97年録音のシュルホフ作品集と比べてみると、録音の方向性が歴然。インテグレル、ヘイダーの2曲も、これまた愛情を感じる演奏。オーストロームの真価が刻まれたアルバムです。是非、流通ルートにのってほしい!
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「頽廃音楽」「ナチに抹殺された作曲家」の印象が強い、アーウィン・シュルホフの室内楽作品集。CD1曲目から熟した柿を思わせるような(すみません、ヘンな表現で)ジャズコンボ風の音色が流れ、ソナタ・エロティカに至っては(以下自主規制)、いやはや。さらには、コントラバス・ファゴットのための(!)作品まで、世紀末的な雰囲気に満ちあふれた曲ばかり。今までホット・ソナタとスプラフォンからのソナタ集くらいしか聴いていなかったのですが、このアルバムを聴いて頽廃といわれる所以がようやくわかったような気がします。ファン・オーストロームは他に2名のサクソフォン奏者とともにオリノコ、Dneska kazdá modni zenaにも参加していますが、ソロ有名なホット・ソナタは、ポーカーフェースの裏で嘲笑うかのような牙が隠されてるオトナの演奏。繰り返しになりますが、シュルホフの頽廃を感じるに相応しい?アルバムといえるでしょう。成人向けアルバム(嘘)