オランダのリンバーグ生まれ。地元の吹奏楽団に入り、ブリュッセル・ロイヤル・コンサーヴァトリーで学び、サクソフォン及びソルフェージュ、編曲、打楽器、室内楽、和声などの一等をとっています。1972年から1975年まで ベルギー・サクソフォン4重奏団のメンバーでもありました。
1973年から74年のシーズンにはアメリカのノーステキサス州立大学で教鞭を取った後、1975年からベルギー近衛交響吹奏楽団の指揮者を務め、現在までに膨大な数の録音を残しています(その中には、吹奏楽によるリヒャルト・シュトラウス集や、ラヴェル集なんてアルバムまであります)。また、サクソフォン・ソリストとして活躍する一方、マーストリヒト大学院の教授として後進の指導にも積極的です。
Rene Gally レーベルから出ている、オケ伴奏のソロアルバム。ノジの音色は非常に柔らかいのが印象的ですが、オケもあわせるようにソフトで(もしかして録音のせい?)、1曲目などはイージーリスニングのようにすら聴こえます。ポーやアプシルの作品なんかは、もっと攻撃的に吹いてもよいのに、と思うのですが、これはこれでいいのかなぁ。おかげでややインパクトは薄いのですが、BGMにはオススメの一枚です。
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ノジが常任指揮者であるベルギー近衛交響吹奏楽団をバックにソロとをったアルバム。代わりの指揮者として、なんとクラリネットの名手ブイケンスを呼んでしまったというから、驚きです。ちなみに、別のアルバム [CD87 075] では、ノジの指揮でブイケンスがリムスキー・コルサコフのコンチェルティーノを録音しています。仲よしなんでしょうかねー。演奏は、気心知れたメンバによる録音のせいか、同じ時期に録音されたオケ伴のものよりもはるかにのびのび演奏しているように聴こえます。中でもエリクソンは余裕すら感じられ、愉しめました。
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指揮者としても有名なロザンタールの室内楽作品集。ロザンタールの筆としてはオッフェンバック作品の編曲による「パリの喜び」が有名ですが、ここに収められている諸作品もメロディがはっきりしていて、ちょっとしゃれた和音の使い方をしていたり、エスプリがたっぷり盛り込まれている楽しい音楽ばかりです。爽やかな天気の日曜日の午後、テラスでカフェオレでも手にしながら聴きたい曲が続きます。最後の曲だけちょっと雰囲気が変わるので、あれれっと思いクレジットをみるとこれだけ作曲年代が1980年代(88年)でした。っということは、ロザンタール83歳の作品?
さてこのアルバムで、ロザンタール24歳の若さで書いたサクソフォン・ママレードを、ノジが吹いています。ブルースの雰囲気漂う曲で、演奏上の小細工がいろいろできそうではありますが、ノジの演奏はあえて小細工を一切せず、太く柔らかい音色で堂々と吹ききっていて圧巻。こんな重心の低くてどっしりした演奏は、若い奏者には真似できないだろうなぁ。
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オランダのトルンは多くの音楽家を輩出することでも有名で、小さな街ながら世界のトップクラスといえる吹奏楽団が2つもあり、互いにライバルとしてその実力を競い合ってます。このCDはその一方の聖ミカエル交響吹奏楽団によるものですが、そのバンドトーンは編成のせいか日本の吹奏楽団のサウンドに近く、日本の吹奏楽ファンには親しみやすいのではないでしょうか。このアルバムは、タイトルどおり20世紀のアメリカの曲が演奏されていますが、ニュートラルで整然としたサウンドはどんな曲を演奏しても高いレベルに仕上がっています。ノジは1981年から83年までこの吹奏楽団を指揮しており、その後もたびたび客演に訪れるなど、親密な関係にあり、ビリクの曲でも息のあった演奏を繰り広げています。
ラプソディ・イン・ブルーのピアノソロもなかなかのレベルです(手持ち8種の吹奏楽による演奏のベストに近い)し、パーシケッティの聖書第9節などというシブい曲もていねいに演奏されていて感心します。ユニークな収録曲ともあいまって(ギリスの交響曲は、なかなか聴くことができませんぞ)、吹奏楽ファンの方にお勧めしたいアルバムです。なお、指揮をしているフリーセンは、近年大阪市音楽団をよく振っていますので、おなじみの方も多いでしょう。
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前のアルバムと同様トルンの聖ミカエル交響吹奏楽団のアルバム。こちらは2枚組で(とはいえ収録時間総計は約100分ですが)クラシックからの編曲ものを中心に構成されています。ライヴ録音ですがしかしまあ上手いこと、熱くなっても音楽の流れは淀みないし、難曲も難なくこなしてしまう(ショスタコーヴィチの「交響曲第9番」、ヴァレーズの「アメリカ」なんてレパートリすらあるんです)底力の凄さには恐れ入ります。
ここでもノジはみごとなソロを披露していますが、ライヴ録音のせいか勢いのある伴奏にやや埋もれ気味なのが残念。とはいえ、この曲の肉食獣のようなヴァイタリティ、猫のような身のこなし・しなやかさは、演奏に充分発揮されています。なお、ノジの指揮・ベルギー近衛兵交響吹奏楽団による演奏(ソロは同楽団のソリスト Jean LECLERCQ)もCD [Rene Gally 87 037] になっていますので、こちらも聴いてみるとおもしろいでしょう。