サクソフォンの野原武伸氏は、東京芸術大学音楽学部を1990年に卒業し、フランス国立リヨン音楽院へ留学、1993年に卒業しました。1991年フランスのギャップ・サクソフォン・コンクールのセミ・ファイナリスト、1994年のアドルフ・サックス・サクソフォン・コンクールでセミ・ファイナリスト、ピカルディ音楽コンクールで1等賞を受賞しました。故阪口新、故大室勇一、冨岡和男、須川展也、セルジュ・ビション、クロード・ドゥラングルの各氏に師事しました。
ピアノの野原みどり氏は、年第56回日本音楽コンクールのピアノ部門で第1位、ブダペスト・リスト国際ピアノコンクールで第2位、第23回ロン・ティボー国際ピアノ・コンクールで第1位を得て注目を集め、ロリン・マゼール、小澤征爾といった指揮者のもとでフィルハーモニア管弦楽団、ピッツバーグ交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団などと共演しました。現在、梶本音楽事務所に所属し、Fontecからラフマニノフ集、リスト集のソロ・アルバムをリリースしています。ソロ・アルバムをリリースしています。深澤亮子、高良芳枝、ジュルメーヌ・ムニエの各氏にしました。
なお、詳しい経歴やリサイタルの予定については、ご自身によるホームページが開設されていますので、是非ご覧ください。
CDを聴き始めると、まず冒頭のイベールのピアノ伴奏の打鍵の強さにびっくりし、その気合いからアルバム全体への期待が高まります。解説にも書かれいるように、イベールの曲中に出てくる高音のアド・リブもすべて楽譜通りに演奏されているのも驚きます。どの曲も技術的にはかなり高いレベルで演奏されていますが、欲を言えばもう少し肩の力を抜いてほしいと感じました。特にイベールでは、アーティキュレーションやスラップ・タンギングなどをもっときっちり決めて曲の軽妙洒脱さを感じさせてほしかったです。またプロヴァンスの風景はアゴーギグに工夫を感じましたが、ややもすると音楽の流れがよどみがちなのも気になりました。一方アルバム・タイトルになっている伝説は、気合いがいい方に出ているように感じました。
なお、このアルバムは日本コロンビアの製造となっていますが、自主制作盤です。このようなディスクを自主制作することは、いろいろな意味で大変なことでしょう。関係各位に敬意を払いたいと思います。ちなみに、私は渋谷のアクタスで購入しました。
オススメ度: