国立音楽大学および同大学院を卒業、ダニエル・デファイエ、クロード・ドゥラングル、ジャン=イヴ・フルモーの各氏に師事しました。
デビューアルバムは、ご本人の意向によるメロディアスな小品を含むヴァラエティ豊かな選曲。まずブックレットの解説を音楽評論家の出谷啓氏が担当しているのにびっくりしました。どの曲でも伸びやかな息遣いで楽器を朗々と鳴らしているのが印象的で、特に蘇州夜曲、さとうきび畑の"歌もの"で、曲の持つフレーズが演奏によっていっそう引き立っています。編曲もみごと。いっぽう、本格的なオリジナル曲もよく吹けているのですが、なぜか心惹かれるところがあまりありませんでした。響きの多い録音がその一因ではないかと思うのですが、、
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2002年8月にFONTECからリリースのミニアルバム。収録時間は全20分。前作が実質的にプライヴェート盤だったことを考えれば、本作がメジャーデビュー盤といってもいいでしょう。タイトルや選曲からおわかりのとおり、夏からイメージされる曲を演奏しており、ジャケットにも南の海の写真が使われています。選曲は前作とヴァカンス、さとうきび畑の2枚が重なっており、基本的な音楽作りは変わっていませんが、より自然に、より自由に表現の幅がひろがってきたようです。特に芭蕉布やさとうきび畑は演奏者の思いが感じられました。一方大きなあぶではもっと自由闊達さを感じたかった、、、
ところでピアノ伴奏者2人が、それぞれどの曲を担当しているのか、ジャケットやブックレットからは判別不能。うーんFONTECさん、それはちょっといただけない、、
クラシックの小品、オリジナル作品、シャンソンの名曲というプログラム。おそらく、演奏者本人が一番好きな曲なのでしょう。愛の挨拶、G線上のアリアなどゆったりした曲では、おおらかなで節度のある歌心をたのしむことができました。が、高度なテクニックが求められるヴァルス形式のカプリスあたりは、少し、いや、正直に言えば楽譜どおりの音符が再現できておらず、かなり苦しい演奏といわざるを得ません。これでテクニックの裏づけのある演奏が繰り広げられれば、さらに大きな演奏表現が可能になるはずなのですが。。