ウィーンを拠点に活動するサクソフォン奏者。バーゼル音楽院でマルカス・ワイスに、ノースウェスタン大学でフレデリック・ヘムケに師事しました。また、アルノ・ボーンカンプ、クロード・ドゥラングルにも学んでいます。
SWR交響楽団、バーゼル交響楽団、ウィーン室内合奏団などのオーケストラとの共演に加え、ウィーン・サクソフォン4重奏団や、4テーナーズ・サクソフォン4重奏団による活動、オルガン奏者トビアス・ウィリとのデュオ活動など多彩な活動を展開しています。レパートリーを見る限り、ドビュッシーのラプソディやフランクのソナタはもちろん、シュトックハウゼン、メシアン、ベリオといったコンテンポラリー作品にもかなり力を入れています。
白を基調にした爽やかなジャケットとはアンマッチ?な、ハードなコンテンポラリー作品の連続。しかし、これらの曲を、暑苦しく感じさせず、純度の高い音楽に仕上げているのは、ムレクシュの卓越した技術とコンテポラリーな作品に対する理解の深さによるものでしょう。どの作品も、実のところ私が曲の真価を充分理解できていないのですが、音楽の流れが安定していて、聴き手が音楽に安心して没頭できます。セクエンツァVIIbのあちこちに飛び回るような音も、細胞群(原題Cells)でアンサンブルと繰り広げる絶妙な響きも、響きとしてはトンがっていますが、それらは無節操に鳴っているのではなく、一つの流れの上で構成されていることがわかります。楽譜片手にゆっくり聴けば、少しは理解できるかなぁ。。
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