ポーランドで活動する女性サクソフォン奏者。1994年にワルシャワのショパン・アカデミーをサクソフォン専攻で卒業、ポーランド国立管弦楽団をバックにヴィラ=ロボスの「ファンタジア」でデビューしました。同年ワルシャワの秋の現代音楽祭に参加、その後いくつかの協奏曲を初演し、着実に国内での活動を続けています。また、ヨーロッパ内外の公演を行なうほか、後進の指導にもあたっています。
なお、ご紹介した「Siesta」に続いて、ポップス色のもう少し強くなった「Fiesta」を発表しています(タイトルが確信犯、、)。弦楽4重奏やパーカッション、コントラバスを伴奏に、ミヨーのブラジレイラに始まり、ティコティコ、スペイン(もちろんマイルス・デイヴィスのヴァージョン)などラテン色の強い曲を軽やかに演奏しています。また、「Wiatr od morza」というアルバムもリリースしているようですが、未聴です。
シエスタとのタイトルどおり、やや気だるめの曲が並んでいます。もちろん、演奏はけして気だるくなく、やや残響を多く拾っていますが、スピーカから澄んだサクソフォンの音色が伸びていきます。曲のせいもあって今ひとつこれという印象に欠けるのが残念ですが、端正にきっちり仕上げられた曲はいい意味でイージーリスニング向き。より本格的な曲を挑戦したとき、どのような演奏が繰り広げられるか期待したいところです。
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セカンド・アルバムまでは比較的規模の小さい、軽くポップな作品が多かったのですが、このアルバムはフィル・ウッズ、ヒンデミット、クレストンなどクラシカル・サクソフォンの定番曲を揃えたあたり気合の入れ方の違いを感じます。
どの曲でも確実に、そしてよく歌っています。 特に緩徐楽章での朗々とした歌が聴いていて気持ちいいです。 伸ばした音の音程や、低音のコントロールなど少々気になったり するところがありますが、クレストンの最後の下行形を テヌートで吹いていたり、かなりアグレッシブな表現を感じます。
それにしても、ポーランドの奏者が、吉松氏の曲をレコーディング、、なんて時代なんですね。
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