1966年、福岡県生まれのサクソフォン奏者。尚美学園に学び、斎藤宏樹、雲井雅人、故・大室勇一、中村均、下地啓二の各氏に師事しました。1990年に日本管打楽器コンクールで第3位に入賞、フランスのセルジー・ポントワーズ音楽院でジャン=イヴ・フルモー氏に師事し、同院を1等賞を得て卒業、また1993年にはパリU.F.A.M.コンクールで第2位に入賞しました。その後国内でソリストとして活動するほか、アルモSQや銀河管弦楽団などに参加、またオーケストラにソリストとして招かれています。母校の尚美学園学で教鞭をとるほか、各種のコンクールの審査員なども担当しています。
松雪氏初のソロアルバム。ボザ、ヴィラ=ロボスの幻想曲に、フォーレの歌曲、最後にピアソラの忘却というプログラムは、まさにアルバムタイトルどおりの選曲です。冒頭のバッハでは、ソプラノサクソフォンによる繊細かつストレートな演奏が印象的。小さなチャルダッシュでは、白石氏の好サポートも得ながら楽譜に忠実な演奏を展開しています。最後の忘却(CD表記ではオブリヴィオン)でも壊れてしまいそうなほど透明ではかない演奏。うーん、すごいキザなエンディングかもしれない(失礼)。でも、一番印象深かったのは、やはり思い入れのある(であろう)フォーレの歌曲の数々。大胆さと繊細さに加えて、アツさをおさえたアタタカい血の通った、懐の深さが感じられました。
残念ながら私自身は松雪氏ソロ・リサイタルの実演に接していませんが、実演のすばらしさが想像できる録音です。録音のせいでしょうか、もっと松雪氏の演奏の生々しさが感じたかったなぁ。。(録音の意図としては、繰り返し聴くことを前提にしてるんでしょうけど、、)
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