大阪音楽大学卒業後、渡仏しフランス国立リヨン音楽院を卒業しました。国内外におけるリサイタルをはじめ、大阪フィル・関西フィル・京都市交響楽団をはじめとする関西のオーケストラとの共演も多く行ってきました。また、大阪音楽大学や大阪藝術大学の講師をつとめ、1994年には日本人ではじめてパリ音楽院に講師として招かれました。ミ・ベモル・サクソフォン・アンサンブルのリーダとして、また数多くの後進を育む指導者として、関西のサクソフォン界に大きな影響を及ぼしています。
ミ・ベモルSEのライヴ録音と同様、ウィンド・ミュージック社扱いの自主製作CD-R。スタンダードなフランスのナンバーばかりですが、ライヴ録音とはいえ完成度は非常に高く、節度を守りつつ音楽の盛り上がりにも事欠きません。下手なたとえですが、緩やかな河を悠然と泳ぐ銀鱗の魚が、不意に向きを変えたり、川面のきらめきとあいまって予想しなかった耀きをみせたりするようです。特にヴァルス形式によるカプリスでは、この曲からさまざまな表情を引き出していて、またそれがいやみにならないのが前田氏のセンスと人柄なのでしょう。
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こちらも Wind Music レーベルからのリリース。日本の童謡、民謡をアルト+ピアノの編成で演奏しています。ボクの四季で使われているのは、早春賦、花、春の小川、おぼろ月夜、茶摘み、夏は来ぬ、夏の思い出、浜辺の歌、七夕、海、我は海の子、小さい秋見つけた、もみじ、月の沙漠、里の秋、雪の降る街を、冬の夜、ペチカ、、、と、誰もが知っている曲ばかり。もともと西洋音楽がベースになっている曲で、サクソフォンでの演奏は違和感なく、端正な演奏ながらも歌心が十二分に感じられます。特にゆったりとしたテンポの曲で、前田氏の音楽の美質が発揮されているようです。MINYOでは、日本各地(あ、九州方面が多いな、、)の民謡をサクソフォンで演奏するには節回しが難しく、演奏も苦労されているよう(にはあまり聴こえませんが)ですが、それでも感興あふれる演奏による素朴なメロディはサクソフォン・ファン以外の方の心にも優しく響くことでしょう。技術的に難しいことをしているわけではなく、驚くようなような内容ではないのですが、安心して幅広い方々にお勧めできるCDです。
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