Hannu LEHTONEN


スウェーデンで活躍するサクソフォン奏者。1989年にサクソフォン・ディプロマの称号を得てますので、1960年台後半の生まれと思われます。ペッカ・サヴィヨキに師事した後、アメリカのシカゴ大学、インディアナ大学、ショパン・アカデミー、パリ高等音楽院などのマスタークラスを受講しており、おそらくドナルド・シンタ、ユージン・ルソー、ジャン・マリ・ロンデックスなどにも師事したのでしょう。現在はソロ活動のほか、フィンランドのアヴァンティ!室内合奏団、フィンランド国立歌劇場をはじめ、北欧の多くの管弦楽団に客演しており、特に室内楽関係に関心を持っているようで、いくつかの室内楽曲の委嘱を行なっています。ラハティにある音楽院やシベリウス・アカデミーで講義を行なっており、ラハティ音楽院のウィンド・アンサンブルの指揮者としても活躍しています。

Official Site(フィンランド語)


主なアルバム


「Heitor Villa-Lobos Compete Works for Guiter Vol.2

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Ondine OED 838-2
1994/8,11 Kannel-talo, Helsinki
  1. 5つの前奏曲 (ヴィラ=ロボス)
  2. 神秘的6重奏曲 (ヴィラ=ロボス)
    Hanne LEHTONEN (saxophone) / V.A.
  3. 花を分ける (ヴィラ=ロボス)
  4. モジーニャ (ヴィラ=ロボス)
  5. アリア〜ブラジル風バッハ第5番より (ヴィラ=ロボス)
  6. ブラジルの民俗音楽による組曲 (ヴィラ=ロボス)
Timo KORHONEN (guitar)

タイトルどおりヴィラ=ロボスのギター作品集。近年見直されつつあるヴィラ=ロボスですが、この録音は先駆け的な存在になるのでしょうか。ギターのコルホネンの演奏は透明な音色の中にキリッとしたリズム感が冴えていて、背筋がピン!ととおった音楽が繰り広げられています。暑苦しくなりがちな神秘的6重奏曲も一服の清涼剤のような響き。リズムこそ南米を思わせるものがありますが、どこまでも清らかな音色は北欧ならでは、と、つい思いたくなります。実はフィンランドはタンゴが盛んな国だそうで、もちろんアルゼンチン・タンゴとは異なりますが、北欧とタンゴというミスマッチとも思える組み合わせが実は自分の無知による思い込みということを認識し、目から鱗のアルバムでした。

OndineレーベルによるこのCDの紹介はこちら(英語)

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「Kalevi Aho」

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BIS CD866
1996/12 [b] 1997/12 [a]
  1. バスーン5重奏曲 (アホ)
  2. サクソフォン5重奏曲 (アホ)Hanne LEHTONEN (saxophone)
Hannu LEHTONEN (saxophone) [b]
シンフォニア・ラハティ室内楽アンサンブル

レヘトネンが参加するシンフォニア・ラハティ室内楽アンサンブルのクレジットによる、フィンランドの現代作曲家の重鎮カレヴィ・アホの室内楽作品集。現代音楽とはいえ、調整や拍子が比較的はっきりして曲のストーリも明確で、いずれも30分を超す規模の大きい曲ですが最後まで緊張感を持続したまま聴くことができました。バスーン5重奏曲とサクソフォン5重奏曲の2曲が収められていますが、前者は最後に曲が分解してしまうという渋い音楽にバスーンの音色がマッチしているのに対して、後者はクールでリリシズムを湛えた曲にサクソフォンの音色がこれまたマッチしているのが興味深いです。サクソフォンを含む本格的な現代室内楽曲を収めたものとして貴重な録音といえるでしょう。もちろん、アホの室内楽の代表的作品であるバスーン協奏曲の演奏も秀逸。

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「Tango Nuevo」

Lahti Brass Quintet LBQCD-1 (r)2001
  1. 3つの灰色のタンゴ (パスケット)
  2. 農民のミロンガ〜南アメリカの5つの旋律より (パスケット)
  3. ムッシュ・チューバ、パリを訪問 (パスケット)
  4. 昔のカーニヴァル〜南国の組曲より (パスケット)
  5. 昔むかし (パスケット)
  6. 5月 (パスケット)
  7. 3つの協奏的なタンゴ (パスケット)Hanne LEHTONEN (saxophone)
Lahti Brass Quintet
Luis PASQUET (piano) [except e,f]

ラハティ金管5重奏団による、ウルグアイ出身でフィンランドに移住した作曲家、ルイス・パスケットの作品集。Tango Nuevo といえばピアソラ有名なアルバムのタイトルですが、ここのアルバムで聴くことができるのは異国情緒的なタンゴの香りを残しつつ、程よく洗練された曲の数々。南米に根ざした音楽を土台に作曲されたこれらの曲は、いい意味で軽く聴き流すことさえできますが、しかし実に多彩な表情を持っていて魅力は尽きません。1989年創設のラハティ金管5重奏団は、確かな技術に基づく精緻で純度の高いアンサンブルで、これらの曲の魅力のすべてをクリスタルのように映し出しています。Tango Nuevo というより Cool Tango と呼びたい。。一部を除いて作曲者自身がピアノで参加していますが、最後の曲にはレヘトネンも参加。レヘトネンのつかず離れずの絶妙なサクソフォンをはじめ、適度に自己主張しながらもアンサンブルの一体感が心地よく、聴いていてとても幸せな気分。ブラス・ファンやサクソフォンのファンならずとも、機会があれば是非聴いていただきたい、小粋なアルバムです。

ところで、なぜか北欧の奏者が南米の曲をとりあげるケースって、多いように思います(前述のヴィラ=ロボス作品集もそうですね)が、気のせいでしょうかね?? なお、このアルバムはノルディックサウンド広島さんより購入しました。(北欧の人名の表記法についてはいつもお世話になってます!!)

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