モントリオールで生まれ、カナダを拠点に活動する女性サクソフォン奏者。1992年にアカデミーを卒業ということなので、おそらく1970年前後の生まれかと思われます。1993年にはベルギーのアドルフ・サックス・インターナショナル・コンペティションにカナダ人として初めてエントリー。現在モントリオールのノートルダム大学のサクソフォンの教授を務めており、コンサートや録音も積極的に行なっています。
カナダのレーベルATMAからリリースされたソロアルバム。タイトルどおりカナダ、フランス、アメリカのオリジナル曲を集めています。全体に速めのテンポできびきびとした演奏で、なかでもクレストンのソナタはゴリゴリした伴奏との掛け合いも含めて、直接感覚に訴えかけてきます。ベダールのソプラノはやや音が抜けきっていないように聴こえるのが気になりますが、曲のもつ愛嬌は充分感じられます。全体にピアノの伴奏がひとくせもふたくせもあって、聴き慣れているスカラムーシュ(特に3曲目のブラジレイラ)ではピアノの独特のアクセントが強烈だったり、テンポの伸縮がかなり自在だったり、ある意味聞き飽きません。
余談ですがこのレーベル、流通事情がよくないのか入手が難しく、国内の某通販ショップにオーダするも1年以上入荷せず。結局カナダの通販ショップから買ってしまいました。
オススメ度:
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Chandosからリリースされた、スペイン・ポルトガル・ブラジルの作曲家による作品を集めたアルバム。ブックレットの表紙裏にはひょうきんな(!)表情で煙草をくわえたヴィラ=ロボスの写真があって、ほほえましいです。
ラテン・パッションを感じさせる「蒸し暑い」曲が多いのですが、イ・ムジチ・モントリオールの演奏はテンションは高いながら、そこはカナダの団体(って地域性が関係あるのかわかりませんが)湿度の低いサウンドなのがユニークです。ヴィラ=ロボスの作品でソロをラピエレがとっており、やや音色が細く感じますが、前述のとおりこの曲の蒸し暑さとは違った爽やかな仕上がりです。ホルンのハーモニーも暑苦しいというよりアルペンホルンのようにすら聴こえました。ラピエレの名前はCDの裏に記載されているだけで、ブックレット等にはどこにも載っていないのが残念です。それ以外の曲も、メロディそのものの美しいインプレッション・ノクチュルナや、リズムがやっぱりラテン的!なトゥリーナやピアソラなど楽しく聴くことができました。