Lynn KLOCK


マサチューセッツ大学アムハースト校の教授であるリン・クロックは、ミシガン大学とインターラーケン芸術アカデミーでドナルド・シンタとラリー・ティールに師事しました。またスプリングフィールド交響楽団のバスクラリネット奏者でもあります。ご紹介したCD以外にも、CRI、Mark、Orion レーベルから録音がリリースされているようです。下記で録音では、Selmer の Super 80 Series II に Selmer Larry Teal マウスピース、Charles Bay のリガチャー、リードは Vandoren #3 を使用しているとのことです。



主なアルバム

「Vintage Flora」

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Open Loop 007
1990/6 Michael P.Dendrinos Chapel Recital Hall, Interlocken center for the Arts, Interlocjen, Michigan, U.S.A.
  1. プロヴァンスの風景 (モーリス)
  2. サクソフォン・ソナタ (ルンデ)
  3. 3つのロマンツァ (シューマン)
  4. エレジーとロンド (フーサ)
  5. サクソフォン・ソナタ (クレストン)

Lynn KLOCK (saxophone) / Nadine SHANK (piano)

Open Loop レーベルへのデビューアルバム。比較的オーソドックスなレパートリが録音されており、とても丁寧に演奏されていますが、残念ながら "楽しい" 音楽になっていません。音が踊っていないのです。譜面通りに吹けばそれなりに端正な唄が聞えてくるシューマンはまだしも、フーサは退屈してしまいました。


「Chant Corse」

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Open Loop 021
1994/8/14 Eastman Theatre-Eastman Sholol of Music, U.S.A.
  1. ソナティナ (タンスマン)
  2. 3つの歌詞のない歌 (ベン=ヘイム)
  3. ディヴェルティスマン (ボザ)
  4. ソナタ ハ短調 (テレマン)
  5. バルトン・サクソフォン・ソナタ (ハートレー)
  6. コルシカの歌 (トマジ)
  7. 墓碑名 (マッチァ)

Lynn KLOCK (saxophone)
Nadine SHANK (piano)
Laura KLOCK (horn) / Salvatore MACCHIA (contrabass) [g]

Open Loop からの2枚目では、テナーとバリトンを吹いています 。コルシカの歌が聴きたくて、つい買ってしまいました。こちらも良くも悪くも素直に吹いていて、もうちょっと音楽的な味付けや自己主張がほしいところです。数少ないバリトン・サクソフォンのレパートリであるソナタの録音は珍しく、作品としてはなかなか楽しめました。なお墓碑銘でホルンを吹いているLaura KLOCKは、リン・クロックの奥さんで、スプリングフィールド交響楽団の首席を12年間つとめたそうです。



「Connections」

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Albany Records TRYO 1182
  1. フュージョン組曲 (C.マクマイケル)
    /w Catherine McMICHAEL (piano)
  2. Fable (J.クルツィウィッキ)
    /w Catherine McMICHAEL (piano)
  3. 3つの舞曲 (D.ジェックス)
    /w Scott BAILEY (piano)
  4. ドゥ・プロフォンディス (C.J.ノーブル)
    /w Clifton J.NOBLE (piano)
  5. シャドウニング・ニック (S.マッチア)
    /w Nadine SHANK (piano)

Lynn KLOCK (saxophone)

クロック氏の名前は先のOpen Loopレーベルのアルバムの印象があまり良くなかったのですが、突然Albanyレーベルからアルバムがリリースされて驚きました。しかも、オール・バリトン・プログラム。しかもCDを聴いてみれば、たしかに音色はバリトンだけれど、テクニカルなフレーズをあまりに軽々と吹きこなしてるではありませんか。

1曲目のフュージョン組曲から、実にポップでゴキゲンな雰囲気。適切な例えではないかもしれませんが、バリチューバ・アンサンブルが実に楽しくポップな演奏をするような、そんな感じのバリトン。リズミカルに、しかも時に朗々と歌うバリトンは痛快です。高音域から低音域まで自在に駆使したドゥ・プロフォンディスや、いきなり最低音からはじまるシャドウニング・ニックも、バリトンの各音域を効果的に使っていて、実にスリリング&エキサイティング。バリトンサックス吹きの方、これはぜひ聴いてみて、オモシロイと思ったら実際に曲を演奏してみましょう。もっとも、クロック氏の演奏はすらすらと見事なので、吹いてみたら超ムツカシイ、という事になりそうですけど。。

オススメ度:

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