KRAUTGARTNER, Karel


1922年7月22日、チェコのモラヴィアに生まれ、クラシックやジャズで活躍したクラリネット/サクソフォン奏者。幼少よりピアノを習得し、1935年にブルノに移ってからはジャズに興味を持ってスタニスラフ・クリティシュカにクラリネットを私淑しました。1942年にはブルノのグスタフ・ブロム・オーケストラでプロのサクソフォン奏者として活動をはじめ、1943年にはベニー・グッドマンやグレン・ミラー風のサウンドを目指したバンド、デキシー・クラブの活動をスタートします。1956年には、クラウト・ガルトネル・クィンテットを結成、モダンジャズからビッグバンドまで様々なスタイルのジャズ演奏をこなしていきます。1960年からはチェコスロヴァキア放送ダンス・オーケストラのサクソフォン・セクションのトップとして活動し、1967年にはこのオーケストラはクラウト・ガルトネル・オーケストラと改名しました。1968年の「プラハの春」直後にウィーンに移住、ORFビッグバンドの指揮などで音楽活動を続けました。その後ドイツのコロンヌに移住し、同地で1982年9月20日、60歳で亡くなりました。

クラウトガルトネルは誰にサクソフォンを学んだのか(独学なのか)、クラシックの活動を恒常的に行なっていたのか充分調べきれていませんが、クラウトガルトネル名義のジャズ・アルバムを数枚録音しているほか、クラリネット奏者としてストラヴィンスキーのエボニー・コンチェルトと兵士の物語の録音が残っています。



主なアルバム


「Dvořàk, Glazunov, Gershwin」

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Supraphon SU 3968-2
1959/9/28-29[a-c], 1962/12/27-28[d], 1953/6/15[e](monoral)
  1. 交響曲第3番 (ドヴォルザーク)
  2. サクソフォン協奏曲 (グラズノフ)
    Karel KRAUTGARNTER (saxophone)
  3. ラプソディ・イン・ブルー (ガーシュウィン)
    Jan PANENKA (piano)

Václav SMETÁČEK 指揮 プラハ交響楽団

スメターチェクがプラハ交響楽団を指揮した録音のCD化の1枚。それにしてもドヴォルザーク、グラズノフ、ガーシュウィンというカップリングはちょっと妙。演奏は弦楽器の分厚い響きで重心が低く、テンポもややゆっくり目で重厚な音楽に仕上がっています。グラズノフもその傾向にあり、フランス風の流麗な響きの対極的ともいえる演奏です。ソロのテクニックも若干厳しいところがあますが、それよりも気になるのは、当たり前のように流麗に吹いているさまざまな演奏はいったい何なのだろう、ということ。

1962年の録音ということは、この曲のフランス以外での録音の中ではかなり初期に位置するのではないでしょうか。手持ちの正規音源としては、もっとも古いCDになります。

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