1974年生まれ、デンマークで活動するサクソフォン奏者。祖父、父ともに作曲家の音楽一家に生まれ、15歳よりソウル/ロックバンドとジャズバンドに参加し、19歳で自身の名義のジャズ・カルテットでCDデビューしました。ニューヨークに渡り、パキート・デ=リヴェラに学んでいます。以来、主にジャズの分野で活動する一方、父の作曲したクラシックの曲の初演も積極的に手がけています。
実の父で作曲家であり、演奏者でもあるアンデシュ・コッペルの手によるサクソフォンと管弦楽のための作品を集めたアルバム。ジャケットにも親子の写真が使われており、もちろんどの作品も息子J.コッペルが初演を担当しています。なるほど、どの曲もクラシックな書法を保ちつつ、ジャズの旋法やリズムが大幅に取り入れられていて、いわゆるジャズ的な音色のサクソフォンで奏されても違和感がないのがさすがです。ソプラノとアルトを持ち替え、各協奏曲とも終楽章最後では変拍子と転調でさらにテンションがあがるのは、コッペル氏の常套の書法なのでしょうか。カッコイイ曲にカッコイイ演奏で楽しめました。白鳥の歌の静けさがアンコールのように聴こえるのも、構成の妙でしょうか。
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