福岡県久留米市出身、国立音楽大学サクソフォン科を主席で卒業、齋藤広樹、下地啓二の各氏に師事しました。またファブリス・モレッティ、クロード・ドゥラングル、ジャン=イヴ・フルモーの各氏のマスタークラスを受講しています。キュスターヴ・ブンケ国際サクソフォン・コンクールで特別賞を受賞、ソロ活動に加えてソレイユ・カルテットのテナー奏者としても活動しています。
川口力氏のファーストアルバムが、フロレンスタン・レーベルからリリースされました。クラシック小品の編曲に、日本の歌を加えた選曲。透明感があってすーっと伸びる音色が、フランス系の華やかな音色に慣れた耳に新鮮に響きます。選曲から予想されるとおり、歌心にあふれていて、最後まで「歌」が中心にあるという点がブレません。テクニックによるハッタリで押す箇所は皆無ですが、美しいレガートひとつとっても充分なテクニックを備えた奏者であることはわかります。
難しいことを考えず、心を無にしてゆっくり聴きたいアルバム。サクソフォン関係者のみならず、多くの方に受け入れてもらえる内容です。
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