テナー・サクソフォン専門という、クラシックとしては珍しい活動をしているアメリカのサクソフォン奏者です。モートン・グールド、ロバート・ワード、ラッセル・ペック、デイヴィッド・オットなどの作曲家から協奏曲の献呈を受けており、これらをロンドン交響楽団、ノース・カロライナ交響楽団、ウィンストン=セーラム交響楽団などの団体と演奏しています。また、ボストン大学やデューク大学で教鞭を執っていましたが、現在はピッツバーグのデュケセンス大学の Artist-in-Residence の称号を得ています。写真では、顎の下にたくわえたヒゲがなかなかカワイイです。
1999年7月にはデイヴィド・オット、アレック・ワイルダーらの作品をチェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団と録音しました。また、リサイタルの録音のCD化の予定もあるということです。
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Koch Internationalからのリリース。3曲ともテナー・サクソフォンの協奏曲、それもすべてフーリックに献呈された曲ということです。どの曲も、テナーとは思えないほど軽々と吹きこなしていて、びっくりしました。もちろん技術的にもかなりのレベル。当初作曲を渋っていたというグールドの作品は、作曲者の立ち会いで録音されたようですが、音域的にテナーがオケに埋もれてしまうところもあり、ちょっといただけませんでした。一方上昇気流は、ずばりカッコイイッ! ジャズのイディオムを紛れ込ませながらソロとオケが競い合い、フィナーレに向けて盛り上がってく雰囲気は、何度聴いてもゾクゾクします。実演で聴いたら興奮するだろうなぁ。なお、もともとワードとペックの録音は別のカップリングでリリースされており、グールドを新たに録音して編集したのがこのアルバムです。
オススメ度:
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ノース・カロライナゆかりの現代作曲家の作品を集めたアルバム。弦楽器曲、ピアノ協奏曲、管弦楽曲など多様な形態の曲が録音されています。この中で、ノース・カロライナ大学チャペル・ヒル校の金融経済(!!)の教授であるレンデルマンJr.のテナー・サクソフォンのための曲が、委嘱者であるフーリックのソロで録音されています。フーリックのソロはそれなりに楽しめるのですが、全体にオケのリズム感や歯切れが悪く、聴きづらいと感じる箇所があり、残念に思いました。
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NY在住の作曲家、エリック・エワゼンの(協奏曲)作品集。どの曲も現代的ではあるものの、調性とリズムははっきりしていて、アメリカン・ドリームを感じさせるような(というと大げさですが)豪快さを持ち備えた作品です。小難しい理屈ではなく、感覚的に楽しめる作品といってもいいでしょうか。テナー・サクソフォン協奏曲はフーリックによる委嘱作品で、テナーの低音域が効果的に使われていて楽しめました。もちろんフーリックの演奏も冴えています。またラプソディではクラリネットとハープの音色の組み合わせが天国的。ここぞ、というところでハープが奏でられて、耳の快楽を誘います。NYフィルの名フルート奏者だったジュリアス・ベイカー(私のお気に入りのフルート奏者!)に捧げられたフルート協奏曲は、なるほどベイカーの太くて端正な音色を前提に書かれた曲だな、と納得。曲やソロはそれぞれに楽しめたのですが、オケの技術がソロに比べると苦しいところがあり、興ざめになる箇所があったのが残念でした。