James HOULIK


テナー・サクソフォン専門という、クラシックとしては珍しい活動をしているアメリカのサクソフォン奏者です。モートン・グールド、ロバート・ワード、ラッセル・ペック、デイヴィッド・オットなどの作曲家から協奏曲の献呈を受けており、これらをロンドン交響楽団、ノース・カロライナ交響楽団、ウィンストン=セーラム交響楽団などの団体と演奏しています。また、ボストン大学やデューク大学で教鞭を執っていましたが、現在はピッツバーグのデュケセンス大学の Artist-in-Residence の称号を得ています。写真では、顎の下にたくわえたヒゲがなかなかカワイイです。

1999年7月にはデイヴィド・オット、アレック・ワイルダーらの作品をチェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団と録音しました。また、リサイタルの録音のCD化の予定もあるということです。

フリック氏の公式サイトはこちら(英語)


主なアルバム


「AMERICAN Saxophone」

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Koch International 3-7390-2 H1
  1. ディヴァージョンズ (グールド)
  2. テナー・サクソフォン協奏曲 (ワード)
  3. テナー・サクソフォン協奏曲「上昇気流」 (ペック)

James HOULIK (saxophone)
Peter PERRET 指揮 ウィンストン=セーラム・ピードモント・トライアド管弦楽団 (Gould) 1995/4/30
Gerhardt ZIMMERMANN 指揮 ノース・カロライナ管弦楽団 (Ward) 1987/10/8
Paul Anthony McRAE 指揮 ロンドン交響楽団 (Peck) 1988/8/26

Koch Internationalからのリリース。3曲ともテナー・サクソフォンの協奏曲、それもすべてフーリックに献呈された曲ということです。どの曲も、テナーとは思えないほど軽々と吹きこなしていて、びっくりしました。もちろん技術的にもかなりのレベル。当初作曲を渋っていたというグールドの作品は、作曲者の立ち会いで録音されたようですが、音域的にテナーがオケに埋もれてしまうところもあり、ちょっといただけませんでした。一方上昇気流は、ずばりカッコイイッ! ジャズのイディオムを紛れ込ませながらソロとオケが競い合い、フィナーレに向けて盛り上がってく雰囲気は、何度聴いてもゾクゾクします。実演で聴いたら興奮するだろうなぁ。なお、もともとワードペックの録音は別のカップリングでリリースされており、グールドを新たに録音して編集したのがこのアルバムです。

オススメ度:


「THE NORTH CAROLINIANS」

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Albany TROY 111
1993/2/14 Baldwin Auditorium, Duke University, Durham, North Carolina
  1. 弦楽器のためのコンチェルティーノ (ワード)
  2. ピアノ協奏曲「モザイク」 (ロス)
  3. 管弦楽のための組曲「レター・トゥ・ザ・ワールド」 (ジョンソン)
  4. コンチェルティーノ〜テナー・サクソフォンのための (レンデルマンJr.)

James HOULIK (saxophone) [d]
Lorenzo MUTI 指揮 聖ステファンソン室内管弦楽団

ノース・カロライナゆかりの現代作曲家の作品を集めたアルバム。弦楽器曲、ピアノ協奏曲、管弦楽曲など多様な形態の曲が録音されています。この中で、ノース・カロライナ大学チャペル・ヒル校の金融経済(!!)の教授であるレンデルマンJr.のテナー・サクソフォンのための曲が、委嘱者であるフーリックのソロで録音されています。フーリックのソロはそれなりに楽しめるのですが、全体にオケのリズム感や歯切れが悪く、聴きづらいと感じる箇所があり、残念に思いました。


「ERIC EWAZEN Orchestral Music & Concertos

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Albany TROY 477 (C)2002
1999/7 Studio 1, Czeck Radio, Prague
  1. テナー・サクソフォンと管弦楽のための古典的協奏曲 (エワゼン)
  2. クラリネット、ハープと弦楽合奏のためのラプソディ (エワゼン)
  3. フルートと室内楽団のための協奏曲 (エワゼン)
  4. 室内交響曲 (エワゼン)

James HOULIK (saxophone) [a]
Charles NEIDICH (clarinet) [b]
Marya MARTIN (flute) [c]
Eric EWAZEN (piano) [d]
Paul POLIVNICK 指揮 チェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団

NY在住の作曲家、エリック・エワゼンの(協奏曲)作品集。どの曲も現代的ではあるものの、調性とリズムははっきりしていて、アメリカン・ドリームを感じさせるような(というと大げさですが)豪快さを持ち備えた作品です。小難しい理屈ではなく、感覚的に楽しめる作品といってもいいでしょうか。テナー・サクソフォン協奏曲はフーリックによる委嘱作品で、テナーの低音域が効果的に使われていて楽しめました。もちろんフーリックの演奏も冴えています。またラプソディではクラリネットとハープの音色の組み合わせが天国的。ここぞ、というところでハープが奏でられて、耳の快楽を誘います。NYフィルの名フルート奏者だったジュリアス・ベイカー(私のお気に入りのフルート奏者!)に捧げられたフルート協奏曲は、なるほどベイカーの太くて端正な音色を前提に書かれた曲だな、と納得。曲やソロはそれぞれに楽しめたのですが、オケの技術がソロに比べると苦しいところがあり、興ざめになる箇所があったのが残念でした。


「Past The Equinox」

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