オランダで活動するサクソフォン奏者。詳しい経歴はいまひとつわからないのですが、1985年にカレファックス・リード5重奏団の創設メンバとなり、1994年にトループ・コンペティション、1996年にゴーデマス国際演奏コンクールで入賞していることから、1960年代の生まれと思われます。コンセルトヘボウ管やロッテルダム・フィル、オランダ放送管をはじめ、多くの管弦楽団と共演しています。古典的な曲や現代曲に加えて、ヘッケマ自身の編曲作品を演奏しており、なかでもパガニーニに興味があるようで、下記のカプリスのほか、2002年にはノード・オランダ管弦楽団のツアーで、ヘッケマの編曲によるヴァイオリン協奏曲第2番「ラ・カンパネラ」を披露しています。グリーンズボロ大学他でマスタークラスを開講していますが、特定の教職にはついていないようです。
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ついに、パガニーニのカプリスのサクソフォン演奏版が登場。もちろんこれは相当のテクニックがなければ玉砕必至ですが、いくら機動力のあるサクソフォンとはいえどこまでこの曲ができるんじゃぃ、と正直期待せずにCDを聴き始めました。が、いきなりターボエンジン全開スピードの1曲目から、そのバカテク(失礼)ぶりに唖然。アルトとソプラノの持ち替えソロで書かれたヘッケマ自身による編曲は、フラジオはもちろん、サブトーン、重音、肉声とハモらせながらの演奏など、サクソフォンのテクニックがこれでもかとばかり盛り込まれています。そのてんこ盛りのテクニックを軽々と吹きこなし、この曲のカプリス=きまぐれたる様子までちゃんと表現されています。このCDを聴いてびっくりしたあなた、ヘッケマ氏のサイト経由で、この編曲譜が入手できるようですので、是非トライを。。(真っ黒な楽譜なんだろうなぁ。。)
余談ですが、このCD、収録時間は81:28。80分を越すCDは他にも見たことがありますが、ここまでいっぱいいっぱい詰め込んだCDは初めて見ました。。
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きましたよ。2作目も徹底してパガニーニです。1曲だけ明らかに毛色が違う、ボノーによるサクソフォンのためのオリジナル曲が含まれています。しかし、こうして並べて聴いてみると、もしかしてボノーはパガニーニを意識して作曲したのか?と思ってしまいます。ヘッケマ自身の解説によれば「明らかにパガニーニに献呈した曲だ」とのこと。ふむふむ。。
通常音域のオクターヴ上くらいまでなら平気で吹きまくる超絶テクニックは相変わらず。さらには、デュオ曲を編曲して1人でしてしまうとか、常識的にそんなことするか?という内容ばかり。もちろん、これはパガニーニ・ヲタクゆえの徹底した演奏姿勢。よく見ると、ジャケットの楽器もずいぶん普通の楽器と違うような。。あっぱれ、ヲタク万歳。
そして、最後の曲は、まさかのジャズ・ナンバー。エラ・フィッツジェラルドのナンバーを、なんとヘッケマ氏は楽器ではなく、地声で歌ってます(驚)。そうきたか、、やられました。
さて、ここまで2作、パガニーニで徹底した録音をリリースしてきたヘッケマ氏。次はどんな演奏を聞かせてくれるのでしょうか。楽しみです。やっぱり次はパガニーニのコンチェルトか???と期待したりしてます♪
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私も積極的に弦楽4重奏を聴いてるわけではありませんが、サクソフォン4重奏を演奏する人は、やはり弦楽4重奏を積極的に聴くべきだと思うんですよ。クラシックの世界スタンダードな編成で、古典的なレパートリーも豊富にある弦楽4重奏、今回このアルバムを聴いてあらためて学ぶべきところが多いと感じました。ハイドンで聴こえてくる上質な茶目っ気、ベートーヴェンから聴こえてくる豊かで落ち着いた響き、それらと比べてマルティヌーの響きの新しさ、それらが実に新鮮に聴こえました。うーん、こういう音楽を、サクソフォン4重奏でも目指したいなぁ。。
さて、ジンドリッヒ・フェルドの作品ですが、プラハ弦楽4重奏団は既にこれまでプラハ生まれのフェルドの作品を積極的に取り上げており、弦楽4重奏曲やクラリネット5重奏の録音も行なっています。演奏会でサクソフォン5重奏曲(サクソフォン+弦楽4重奏)を取り上げたのも自然な流れで、気負うことなくフェルドの渋い音楽を表現しています。ヘッケマの演奏も、ライヴとは思えない高い完成度で、ソリスティックな部分と弦楽器の響きと調和する部分の使い分けがみごと。クラシックにおけるサクソフォンのあり方はこうあるべき(ちょっと大げさか)と思わず膝を叩きたくなりました。
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