ルディ・ヴィードーフに関する研究の第一人者であるテド・ヘグヴィク(で読み方があってるのか不安)は、ミシガン大学を卒業後、ウェスト・チェスター大学のサクソフォン科を創設し教授を務めていましたが、最近辞しました。また、かつてはフィラデルフィア管弦楽団、サンクト・ペテルスブルグ交響楽団をはじめ数多くの管弦楽団に、サクソフォン奏者、あるいはクラリネット奏者として招かれていました。
ジャケットの写真は、ヘグヴィクの写真にヴィードーフの写真を重ねあわせたもの。当初 Golden Crest レーベルから2枚のLPとしてリリースされていたもののCD化。録音時期は不明ですが、1980年代のようです。すべてヴィードーフのナンバーで、演奏もヴィードーフのスタイルを極力取り入れたものになっています。多少伴奏とズレようともお構いなし、強烈なアッチェルやルバート、タンギングの連続などは、なるほどオリジナルの演奏を十分研究した上で多少モダンにした演奏になっていて、その意味でこのCDはヘグヴィクの研究の集大成といえるでしょう。伴奏のスウィング感がもう少し効いているといいな、とも思いますが、どの曲もコミカルで肩の力をぬいて楽しめる演奏です。ヴィードーフに捧ぐは、シュラーの編曲でエリカのワルツ、サクサレラ、サクソフォビアがメドレーになっています。アルトでもテナーでもない音だなぁ、と思ったら、なんとC管のサクソフォンまで使ってました(a-e,r,s)。入手が難しいと思いますが、手にとる機会があればぜひ聴いてみてください。
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