千葉県出身、東京音楽大学サクソフォーン科を卒業後、渡仏しパリ国立高等音楽院を首席の一等賞を得て卒業。さらにセルジーポントワーズ音楽院を審査員全員一致の一等賞で卒業。この間、石渡悠史、中村均、ジャン=イヴ・フルモー、クロード・ドゥラングルの各氏に師事しました。帰国後リサイタルをはじめ、ニューフィル千葉管弦楽団、神奈川フィル、大阪シンフォニカーなどのオーケストラと共演。
なお、詳しい経歴やリサイタルの予定については、ご自身によるホームページが開設されていますので、是非ご覧ください。
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2005年8月リリースの、波多江氏デビューアルバム。波多江氏自身(一部加羽沢さん)が解説も担当しており、日本盤初録音となるロマンティック組曲の各楽章のタイトルは波多江氏自身が訳していたり、リードとトマジでバラッドとバラードとタイトルをきちんとわけていたりしています。(本サイトでは他ページとの表記統一のため両者ともバラードと表記)
CDを聴いての第一印象は、音色のやわらかさと等身大の音楽作りで、まさにアルバムタイトルの「Songs」どおり。中でもリードやボザなどでは、時に豊かなヴィヴラートを使った優しい音色が印象的です。ロマンティック組曲やパッシング・バイでも適度な思い入れが音楽をいっそう魅力的にしています。もちろん、随所で工夫は凝らされていて、特にスカラムーシュでは曲の持っている躍動感をことさら強調することなく、ユニークな仕上がりです(聴いたことのないフレーズも飛び出します)。トマジではやや技術的な詰めの甘さを感じましたが、ドビュッシーはみずみずしさと完成度の高さが両立したすばらしい演奏を楽しむことができました。
個人的な趣味では、特にトマジやミヨー、ドビュッシーなどでピアノとのアグレッシヴなやりとりを聴いてみたかったな(録音バランスのせいでしょう)。波多江氏のレパートリは現代音楽も含めて幅広く、次は等身大のままのシリアスな作品を聴いてみたい、気がします。
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