Daniel GREMELLE


1963年フランスの HENIN-BEAUMONT の生まれ。1988年にパリ国際音楽祭で1等賞、1989年にギルド・フランス・パリ・ソリスト・コンクールで1等賞など、数々のコンテストで優秀な成績をおさめています。1985年からパリ警視庁音楽隊のソリスト(筆頭奏者)となり、その後もフランス国立管弦楽団、パリ管弦楽団、トゥールーズ・キャピトゥル管弦楽団、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、パリ歌劇場などにソリストとして招かれ、ピエール・ブーレーズ、チョン・ミュン・フン、小澤征爾、ケント・ナガノ、セミヨン・ビシュコフ、ミシェル・プラッソン、、、(書いていてきりがないですね)といった指揮者と共演しました。

以下でご紹介したアルバムの以外に、Addaレーベルにイベールの小協奏曲を録音しているほか、Hugues Dufourt の作品集にドゥラングル氏らと4重奏で参加しています。



主なアルバム


「Le Saxophone Concertant」

Corelia CC 894759 (P)1994
  1. バラード(トマジ)
  2. エア・ノスタルジク(ヒューヘンス)
  3. サクソフォン協奏曲(デュボワ)
  4. サクソフォンとトランペットのための協奏曲(リヴィエ)
  5. 前奏曲風ラフレシアとエピローグ(ピショロー)

Daniel GREMELLE (saxophone) / Claude PICHAUREAU 指揮 パリ警視庁音楽隊 [a-d]
Quatuor de saxophones Daniel GREMELLE [e]

吹奏楽を伴奏に数々の協奏曲を録音したアルバムです。どの曲でもフランス流の華麗な音色(それでもずいぶんヴィヴラートは抑制されているようです)を楽しめます。技術的には充分しっかりしているので、演奏にもう少し遊びがあってもいいとは思いますが、それは欲張りかな? 伴奏の吹奏楽団も、同様に真面目にグレメーユの演奏をバックで盛り立てますが、やはりデュボワリヴィエではもう少し表情がほしい気がしました。最後のピショローの曲のみグレメーユの率いる4重奏団の演奏です。

「French Saxophone Concerto」

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Marco Polo 8.225127
  1. サクソフォンと管弦楽のための協奏曲第2番(デュボワ)
  2. サクソフォンとトランペットのための協奏曲(リヴィエ)Antoine CURE (trumpet)
  3. 響き(ショルティーノ)

Daniel GREMELLE (saxophone) / Bystrik REZUCHA 指揮 スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団


Malco Poloレーベルから、2000年6月(日本語帯つき盤は8月)の新譜としてリリースされました。今世紀後半に作曲された3曲が録音されていますが、比較的オーソドックスな書法で書かれており、グレメーユの伝統的な甘いサクソフォンの音色がマッチしているように思います。それもそのはず、デュボワショルティーノはグレメーユが委嘱、初演を果した曲とのこと。特にデュボワは作曲者最期の曲とのことで、他のデュボワの曲に比べると軽妙さは幾分抑え目ですが、木管群の攻撃的なリズムやそれに呼応するサクソフォンのやりとりはデュボワ節とでも言いたい独特のセンスが健在です。もっともっと愛らしい曲を遺してほしかったなぁ。リヴィエはグレメーユのオハコなのでしょうか? 吹奏楽版に続いての録音になりました。全体にソロは健闘してるのですが、オケに柔軟さや華やかさが不足しており、残念です。しかし、前作に続いてフレンチ・スタイルの演奏を続ける数少ないフランスの若手奏者として、今後への期待が高まりました。

Marco Polo レーベル公式ページの、このCDの紹介はこちら(参考音源試聴可)です。


「La Gremellite」

Corelia 803887 (P)2004
  1. 子守唄「小さなカンカン」の主題による変奏曲(ドンディーヌ)
  2. トニー(ノレ)
  3. 妖精の踊り(バッジーニ)
  4. スペインの主題による変奏曲(ジュナン)
  5. 小さなチャルダッシュ(イトゥラルデ)
  6. エア・ノスタルジク(ヒューヘンス)
  7. 水晶玉(ハメル)
  8. ラ・グレメリッテ(デュボワ)
  9. モンタニャールの主題による変奏曲(ドノディーヌ)
  10. (ペンダース)
  11. 熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ)
  12. チャルダッシュ(モンティ)

Daniel GREMELLE (saxophone)
Claude KESMAECKER 指揮 フランス海軍ブレスト艦隊音楽隊


サクソフォンのソロと吹奏楽によるアルバム。ブックレットにあるグレメーユの写真が、以前のものとぜんぜん違っていて、ちょっとびっくりしてしまいました。が、フレンチスタイルの音色や技術は相変わらずで、CD1曲目からうれしくなってしまいました。どんな曲でも豊かさを失なうことのない音色は魅力的で、特に2度目の録音となるエア・ノスタルジクのようなゆったりとした曲で、グレメーユの長所が発揮されるようです。妖精の踊りチャルダッシュでのタンギング攻撃も見事。グレメーユに捧げられたデュボワ作曲のラ・グレメリッテ(原曲はサクソフォン+ピアノ)こそ伴奏が苦労している様子がうかがえますが、伴奏のフランス海軍ブレスト艦隊吹奏楽団も、初めて聞く名前ですがすばらしい伴奏を聴かせてくれています。

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