ジャン=ミシェル・ゴーリーJean=Michel GOURYは1961年9月22日 Tonneins の生まれ、ボルドー音楽院でジャン=マリ・ロンデックスに師事しました。IRCAMでダニエル・ケンジーと共に活動し、各種のコンクールで優秀な成績を修めています。ソロ・デュオ活動、XASAXのメンバとしての活動、オーケストラへの客演、録音などの演奏活動を積極的に行なう他、ボローニャで教職に就いています。
XASAXのメンバであるベルトーキとの2重奏。現代曲ばかりでまとめられたプログラムの中には、マデルナやシュトックハウゼンの、楽器を特定しない曲をサクソフォンで挑戦したものや、野田氏の作品、さらにはコンスタンやフルニエ、ロッセといった現代のフランスの作曲家による作品まで、グーリとベルトッチが体当たりで格闘、否、演奏している様子が収められています。その格闘から生み出された音楽を、私もすべて受け止められているわけではありませんが、その格闘の真剣さは否応なく感じることができました。やはり、こういう音楽は、生で体感したいものです。
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1985年以来活動を続けている、ピアノのイヴ・ジョセとのデュオによる、主にアメリカへのツアーでのライヴ録音。どれも実験的要素を含んだ現代音楽ばかりで、しかも1曲目のハードから相当なテンションで演奏されており、聴きつづけるには相応の体力と気力がないと辛いかもしれません。ヴェンサルは日本語ヴァージョンとあるように、坦々としたニュースのような日本語をバックに楽器が断片的なフレーズがちりばめられていて、その静と動の対比がユニーク。現代作曲家とのコラボレーションによる、サクソフォンの限りない探求の一端を垣間見ました。
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グーリーが主宰する、サクソフォンを含む現代音楽曲を紹介することを主活動とする団体。一部ピアソラやラヴェルなど古典的(!)な曲も含まれていますが、やはりメインは現代曲。中でも気になるのが、百人一首にも収められている後徳大寺左大臣の ほととぎす 鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる が繰り返し詠まれるルメイの秋の影と月。日本語がそのまま発音され、ちょっとオカルト的な響きさえ感じます。やはり前衛的な曲の方が、彼らの本領発揮のようで、鳥の歌やSur l'epuale d'une Ombreなどで作曲家との親密なコラボレーションを感じさせる密度の高い音楽を展開しているのが印象的です。
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