スペイン・ヴァレンシア生まれのサクソフォン奏者。ヴァレンシア音楽院に学び、ペドロ・イトゥラルデとダニエル・デファイエに師事しました。スペイン国立管弦楽団を始めスペイン内外のオーケストラと共演歴があります。また1986よりムルシア音楽大学の教授に着任、その後マドリッド音楽院を始めスペインの音楽大学で教鞭を執っています。
師匠であるイトゥラルデの作品、それにピエルネとデザンクロという有名曲を集めたアルバム。このアルバム、以前から存在は知っていたのですが、スペインの流通事情の悪さや情報の少なさから、入手の手がかりがまったくない状態が続いていました。が、ある日突然、国内のCDショップに並んでいてびっくり。再プレスでしょうか、、?
フランコを中心とした4重奏団に、数曲イトゥラルデ自身が参加しています。ギリシャ組曲は、聴きなれた出版されている4重奏版とはずいぶん構成や響きが違っていて、なるほどもともとはピアノだったのね、という発見が多々ありました。デキシーでの軽快な演奏もゴキゲンでいいですね。アンサンブルそのものはやや雑な印象を受けましたが、曲の楽しい雰囲気は充分伝わってきます。イトゥラルデの作品、ギリシャ組曲以外ももっと日本で演奏されていいと思うのですが、いかがでしょうか。
定番のピエルネやデザンクロでもアンサンブルはやや雑ですが、デザンクロでは内声部の動きにはっとさせられるのが何箇所かあり、繰り返し聴いても飽きることがありませんでした。
ミュールが編曲した曲集を録音したアルバム(師匠デファイエのほかモレティも同様なアルバムを録音しています)。そして最後にフランコの師匠であるデファイエ、ペドロ・イトゥラルデとの共演という、豪華なおまけがついています。録音でかなり損をしていますが、基本的には音符の一つ一つを忠実に音楽に昇華させていく真面目な奏者であることがわかります。特に記譜上の強弱記号はかなり忠実に再現しているようです。オンブ・ラ・マイ・フの冒頭の弱音などは、録音がしっかりしていれば相当ゾクゾクした音になっていたでしょう。さすがデファイエの弟子、です。時には大胆さを交えた演奏は、繰り返し聴いていくと味わいが深まります。しかし、圧巻は最後のメモリアル。4本のサクソフォン+ピアノという編成のせいもありますが、太く強靭な演奏に完膚なく打ちのめされました。途中アドリブでクラリネットが登場するのですが、これはイトゥラルデが持ち替えてるのでしょうか、、
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前半がフォーレの作品、後半がミュールが編曲した曲集を録音したアルバム。フォーレの作品がサクソフォンで演奏されることはよくありますが、これだけまとめた録音はなかなかありません。後半のミュールの編曲も、なかなか耳にすることのない曲が多く含まれています。フランコの演奏は、音色がやや独特で、少々アバウトな箇所もありますが、遺伝子は確実にフランスの伝統的な演奏解釈・奏法に則ったものです。参考演奏として聴くにふさわしいか、、といわれると微妙なところですが、それでも真面目に演奏された貴重な音源ということができるでしょう。
ジャケットの雰囲気が、1枚目のSax a Pelと似ているなぁ、、(ぼそ)
このアルバムは、スペインの作曲者の手による、お国の"名曲"をサクソフォンで演奏しているもの。録音のせいかやや硬く聞こえますがインターナショナルな響きを意識しつつ、お国ものの微妙な間合いや節回しが聴こえてくるのがユニークです。特に最初の、チェロ奏者カサドが書いた2曲の、情熱が先行した強烈なアッチェルとタメがきまった演奏なんか、真似できそうにありません。ファリャやペドレイの曲も、一つ一つの音にいろいろな情感が込められているように聞こえます。ずいぶんアバウトに演奏しているところもありますが(笑)
最後に、師匠でジャズ奏者でもあるイトゥラルデの小品が収録されてますが、 じつにしみじみと演奏しているのが印象に残ります。スペインのCDは流通事情のせいかなかなか見かけませんが、クラシカル・サクソフォンがかなり盛んな国、ぜひ聞いてみて下さい。
このCDのジャケットも、これまでのパターンと似ているなぁ、、(ぼそ)
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