イングランド北部のノース・ヨークシャー生まれのサクソフォン奏者。ロンドンのギルドホール音楽院でジョン・ハールに師事し1995年に卒業。これまでにロンドン・シンフォニエッタ、BTスコットランド・アンサンブルと協奏曲を演奏、またヨーロッパ室内管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団といった著名な管弦楽団とも共演を行ないました。また、師ハールとともに、フィリップ・グラスの「ファザード」の録音に参加、さらにはマイケル・ナイマン・バンド、アイスブレーカー、コンポーザーズ・アンサンブルのツアーにも参加しました。現在は、ソロ活動に加えてデルタ・サクソフォン4重奏団およびロンドン・サクソフォニックのメンバとして活動のかたわら、2002年よりギルドホール音楽院の教授職の地位にあります。
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オルガン、ソプラノおよび合唱・パーカッションとの共演アルバム。自作曲や即興主体の曲もありますが、これらを含めて1曲目から最後まで教会音楽をベースにした響きに徹しています。教会での残響の多い録音も効果的。その手法は、師ハールのそれにも似ていますが、はるかに古典的な枠組みの中にあり、それゆえ万人に抵抗なく受け入れられるのではないでしょうか。不死の肉体のバスドラムに心臓の鼓動を聴き、インプロヴィゼーションの即興に古楽通じるものを感じる(つまり「永遠」なわけですね!)。フォーシャウ氏が次にどんな手段で揺さぶりをかけてくるのか、今から楽しみです。
なお、このアルバムは(おそらくUKの)アマゾンのクラシック部門のチャート1位を獲得、Classical Brit Awards にノミネートされたそうです。
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前作に引き続き、オルガン、ソプラノと合唱とサクソフォンという演奏。なぜ教会音楽やルネッサンスの音楽が、これほどサクソフォンにあうのでしょう。サクソフォンだからといってジャズ的なアドリブをはさむのではなく、曲の方向性にあった即興を展開しているのが見識でしょう。バッハやラモー、ダウランドに加えて、自作やガリー・カーペンターの作品を交えて、古楽をあらめて新しい音楽として光をあてて演奏する姿勢が一貫して表に出ています。サクソフォンの出番は前作に比べて少し控えめのように感じますが、音楽の底力は増しているように感じます。
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タイトルと曲目を見て、えっ???と驚きました。コテコテのフランス曲。もちろんフォーシャウのこと、演奏スタイルまでコテコテになるはずがない、、と疑心暗鬼で聴き始めました。
なるほど、フランスらしさがまったくなくなっているわけではなく、特有のタメや独特のフレーズ感はこの演奏からも一部感じられます。が、やはりその色合いはかなり薄く、私たちがこれらの曲で聴いてきたさもあたりまえのようなフランス流解釈とはかなり違う、ユニークな演奏になっています。テンポはけして突っ走ることなく、これまで気がつかなかった曲の細部に気づかされた部分もかなりあります。特に真中に配置された前奏曲、カデンツァと終曲やプレリュードとサルタレロ、そしてスカラムーシュは、これまですりこまれているフランス流解釈の呪縛を解き放ち、曲にまっすぐに取り組むフォーシャウの潔さを感じとれるでしょう。これらの曲を何度も聴いている方にこそ、一度じっくり聴いてもらいたい演奏です。
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再びサクソフォンと、合唱やオルガンを中心としたアンサンブルによる演奏で、キャロルや古い民謡をもとにした選曲で、華やかなフランス系とは違うストレートで透明な音色が印象的です。 教会で響き渡るような荘厳な響きですが、中世にさ迷い込んだような響きになるかと思えば、一瞬ジャジーな雰囲気も漂わせたり、民謡のようなリズムが現れたりと不思議な音の世界に浸ることができます。疲れた仕事帰りの電車で、この曲を聴いていると少し気持ちが落ち着く気がします。
フォーシャウ氏のサイトで、各曲を試聴できるので、御一聴ください。(http://www.christianforshaw.com/midwinter.html)
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