シドニー生まれの女性サクソフォン奏者。7歳でサクソフォンのレッスンをスタートし、メリンダ・アトキンス、マーク・ウォルトンに師事しました。16歳でコンチェルト・デビュー、17歳ではジェイムス・フェアファックス・オーストラリアン・ヤング・アーティスト・コンペティションの参加し、シドニー交響楽団とデュボワのディヴェルティスマンを録音しています。その後ロンドンでマーク・ロバートソンやカイル・ホーチに、さらにオランダでアルノ・ボーンカンプにも師事しています。このよう経歴からか、レパートリーにはフィリップ・グラス、グレアム・フィトゥキンなどのコンテンポラリー作品が多いようです。現在ではオーストラリアとヨーロッパを飛び回りながら活躍しており、またロンドンでゼフィルス・サクソフォン4重奏団のリーダーとしても活動しています。
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ええと、これ、クラシカル・サクソフォンのCDです。ポップスじゃありません。タイトルが「スマイル」ですが、やっぱりクラシック系です。
1曲目「スマイル」は、例のチャップリンの映画の曲ですがここぞとばかりゴージャスに歌いこんでくるのかと思ったら透明感のある素朴なアレンジと吹き方で、驚きました。ヴィヴラートは少なめ、ピアノ〜メゾピアノ主体の音量で繊細な表現が新鮮です。 つい歌いこんでしまいそうな「ヴォカリーズ」でもコブシとは無縁、少し音の線が細めに聴こえますが、ベクトルは実に明確な演奏です。ボザのアリアも、ありがちな濃厚ロマンティック路線ではなく、危ういバランスの上できちんと計算された繊細さの上になり立っています。最後にフィンジの曲をもってくるというのも、したたか。聴きなれた小品に混じってアルヴォ・ペルトの「鏡の中の鏡」なんてまじってたりして。さすが、きちんと吹きこなすだけの素地はあるんですね。イギリスで学んだ経歴からか、イギリスの現代作曲家ターネジやフィトゥキンもレパートリにしてるようで、うーむ、これは是非聴いてみたい!
もう少し華やかや色気の演奏のほうがウケはいいと思いますが、この演奏スタイルが今後どう変わっていくのか(変わらないのか)、楽しみでもあります。
ちなみに彼女のサイト、やっぱりビジュアル系っぽいです(笑 ヴォカリーズ、タネージ、そしてラーション(!!)の協奏曲を一部試聴することもできます。
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きましたよ、きました。エイミィ・ディクソンの2枚目のアルバムは、フィリップ・グラスにタヴァナー、ナイマンときました。しかも、フィリップ・グラスはヴァイオリン協奏曲ときましたよ。分散和音が繰り返し演奏される箇所も、技術的にはまったく不安なく、意外にもスケールの大きな演奏を繰り広げます。ジョン・タヴナーの、静謐な中に様々な表情が見え隠れする曲も、サクソフォンでの演奏が効果的。蜜蜂が踊る場所は、最後まで一気に走り抜けていくような勢いがあり、緊張感が途切れません。サポートするオーケストラも、さすがロイヤル・フィル、安定しながらサクソフォンの色彩に負けることなく一つの音楽を作り上げていきます。前作とあわせて、こういうアルバムがメジャーレーベルからリリースされるようになったという点は、私としては感無量です。
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