ローマとニューヨークで育った女性サクソフォン奏者。ローマ自由アカデミーを卒業後イーストマン音楽学校に入学、ラーモン・リッカーに師事しました。在学中イーストマン・ウィンド・アンサンブルに参加、数々の録音に参加しています。また、ユージン・ルソー、ジャン=マリー・ロンデックス、ドナルド・シンタ、ジェイムス・ストーティ、ジェームス・アンダーウッドの各氏のマスタークラスにも参加しています。1986年に卒業後、1988年には女性としてはじめてアメリカ海兵隊軍楽隊に参加し、アルトとソプラノを担当、同楽団のダンスバンドやブルースバンドではサクソフォンだけでなくヴォーカルも披露しています。1995年にはイーストコーストSQに参加(海兵隊、ESQ参加はアンダーウッド氏の影響か?)しています。現在、自身の演奏活動に加えてチャールス地方コミュニティカレッジでサクソフォンの指導を行なっています。なお、ヤマハの楽器を使用しています。
キュップルはサクソフォン奏者であると同時に写真家でもあり、以下のサイトでその実力を垣間見ることができます。
たまたまネットサーフィン中に迷い込んだプロダクションのページに紹介されていたCD。白い花の咲き乱れる緑の草原に、サングラスをかけた女性(ご本人でしょうか)というなかなか洒落たジャケットです。ファーストリリースということもあってでしょうか、バランスを気にしつつ本人のやりたいことがぎっしり詰めこまれています。その内容はソロ、4重奏(しかも一部は身内による録音!)、吹奏楽伴奏、チェロとハープシコードの伴奏まで多彩です。ブックレットを見ても、とにかくCDをリリースできてウレシイ!という気持ちが充分伝わってきてほほえましいです。
肝心の演奏ですが、どの曲も真面目に、真正面から演奏されています。ただ、真面目すぎて、スケールが小さくまとまってしまっているような印象を受けました。どちらかといえば、歌心溢れるブラームスやシューマンの小品(CDには3つの小品と記されています)、あえて知名度の高くない曲をもってきたルンデのソナタ、そして気心知れた?メンバと思われるグラーヴェとプレストなどが、演奏者の共感がストレートに伝わってきました。
なお、dibida プロダクションのページで参考音源を聴いたり、CDを購入ができます。私が購入した時は、キュップルス氏直筆と思われるメッセージカードが添えられていました。こういう細かい気配り、嬉しいものですね。