1976年ドイツのクレフェルド生まれ。83年(えっ7歳??)から95年までクレフェルド音楽学校でサクソフォンを学びました。その間、85年と87年に Jugend Musiziert で1等賞を、90−91年には国際 Jugent Musiziert Competition およびオランダのケルクラードでの国際コンペティションで1等賞を得ています。96年よりベルリン芸術大学でヨハネス・エルンストに師事、ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニ、ベルリン・ドイツ・オパーなどで演奏するようになります。2000年から01年にかけてリヨン国立音楽院でジャン=ドゥニ・ミシャに、また02年から03年にかけてスヴェリンク音楽院でアルノ・ボーンカンプに師事した他、クロード・ドゥラングル、ジャン=イヴ・フルモー、イヴァン・ロス、マルカス・ワイスなどのマスタークラスを受講しました。
現在は、ソロ・客演活動に加え、クレア・オブスキュアSQ、アンサンブル・リゾナンツ、アンサンブル・モザイクをはじめ、現代音楽領域を含めた様々なアンサンブル活動に参加しています。
ファースト・アルバムは、ご覧のとおりスタンダードなレパートリーが並んだ気合の入ったプログラム。技術的にはもちろん楽譜の指定を難なくこなしており、曲の構築力や表現意欲も充分で、期待以上の内容の音楽で楽しめました。特に若々しい感覚による幻想小品集のフレッシュな曲想が、印象に残りました。この選曲だとどうしても師匠?ボーンカンプとついつい比較してシビアに聴いてしまう(シューマン以外が全部重複。シューマンも別の曲ながらボーンカンプも録音している)のは私の悪い癖。反省。ヒンデミット・クレストン・ミヨーといったかなりキャラクターの違う曲について、演奏に様式感、さらに端正さとスケールの大きさが加われば、さらに中身の濃い音楽になるのでは、と感じました。次のアルバムではさらに充実した演奏が期待できそうです。
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アルバム2作目も、よく見ると師匠ボーンカンプと似たような選曲です。ドゥメルスマンでの暖かみを感じる端正な演奏、ホット・ソナタでの退廃的な曲調をカラフルに彩る演奏、小さなチャルダッシュでの自由闊達な演奏、そしてヴィードーフの茶目っ気溢れる演奏、、聴けば聴くほど演奏スタイルも似ています。しかしそれはけして単に演奏スタイルを継承しただけではなく、オリジナリティを加えて工夫しようとしているのはよく伝わってきます。さらに音楽の線が太くなると説得力を増すとは思いますが、例えばヴィードーフに捧げられたレイクの作品の、新鮮な感覚の演奏が特に心に残りました。(ちなみに、このレイクは、アメリカのバンドマスター/編曲者で、ずいぶん多くの吹奏楽編曲作品を書いており、私も少なからずレイクの編曲にお世話になったことがあります)
まだまだ成長する余地があると感じると同時に、おもしろいことをやってくれそうな奏者だという期待を充分感じさせる内容です。
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