アメリカと東欧を中心に活躍するサクソフォン奏者。ハルト音楽学校を卒業し、ワルシャワのショパン・アカデミーを卒業し、フランスへ留学しダニエル・デファイエに師事しました。また、デイヴィド・ピトゥ、ケネス・ラドノフスキなどにも師事しています。現在はボルドウィン・ウォレース音楽院、ケント州立大学、クリーヴランド音楽協会などで教職に就いています。
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Centaurレーベルからのリリースは、サクソフォンの定番曲を集めた意欲作。まず、冒頭のヴォカリースから、テンポが遅い! 4〜5分台の演奏が多い中、バナツァクの演奏は特別な繰り返しもしていないのに7分31秒もかかってます。他の曲も全体にテンポが遅く、ファンタジアの3楽章が平均2分50秒台に対して3分24秒、イベールの3楽章が平均4分10秒程度に対して4分51秒、といった具合です。グラズノフのようなもとからテンポがあまり速くない曲はあまり違和感なく聴けますが、曲によってはテンポの遅い分躍動感が失われてしまっているのが残念です。
別の言い方をすると、テンポが遅い分バナツァクの音色をじっくり聴かせる演奏といえるかもしれません。透き通るような音色にヴィヴラートのかけかたが独特で、フランス風の華麗な音やノン・ヴィヴラート奏法とも異なった印象です。強いていえばアメリカのニュートラルな音色にヴィヴラートを足したような、と言っておわかりいただけるでしょうか? 好みは別れると思いますが、、、私の好みではありませんでした。
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2枚組、計約90分ほどのアルバム。全体にテンポの遅い曲が多く、バナツァクの独特の音色がたっぷり感じられる演奏です。ただ、表現はいささか単調で(曲のせいもあると思いますが)聴いていてあまり魅力を感じなかったというのが正直なところです。音色に胃もたれしてしまったというか、、、テンポの速い部分で、もう少しキレや軽さが出ていれば、かなり印象が違ったと思うのですが。ホヴァネスの協奏曲など、独特の響きがしておもしろいだけに残念です。