Koryun ASATRYAN


1985年、アルメニアのエレヴァン生まれのサクソフォン奏者。8歳にして地元でサクソフォンのレッスンにつき、ダニエル・ゴーティエに師事するため2000年(15歳!)に渡独しました。デトモルト音楽大学ドルトムント校で学んだ後、2003年よりケルン音楽大学に進学、2005年にはアリアージュSQに参加していることから、よほどゴーティエ師のお気に入りなのでしょうね。インターナショナル・マイスタークラスではクロード・ドゥラングルアルノ・ボーンカンプなどに師事しています。すでにドイツやロシアでさまざまな賞を得ており、今後の活躍が期待できる奏者です。

まったく気づいていなかったのですが、2005年夏には来日もしていました(汗)。アコーディオン奏者グジェコシュ・ストバ氏ととの共演がメインだったようなので、ぜひ次はソロ奏者として来日してください!

アサトゥリャンのページはこちら(英語)


主なアルバム


「Saxophone Caprices」

hänssler Classic CD 98.220
2005/5/1-3 Tonstudio Teije vam Geest, Heidelberg
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  1. カルメン幻想曲 (ボルヌ)
  2. 白鳥〜動物の謝肉祭より (サン=サーンス)
  3. ハンガリア舞曲第1番 (ブラームス)
  4. アダージョとアレグロ (シューマン)
  5. 小さなチャルダッシュ (イトゥラルデ)
  6. 歌劇「ゴイエスカス」より 間奏曲 (グラナドス)
  7. スカラムーシュ (ミヨー)
  8. アリア (ボザ)
  9. ヴァルス形式のカプリス (ボノー)
  10. クロノス (スウェルツ)
  11. 熊蜂の飛行 (リムスキー=コルサコフ)

Koryun ASATRYAN (saxophone) / Jang Eun BAE (piano)

20歳にしてデビューアルバムをリリースですよ。うーん、若い。ジャケットの写真、どことなくオリエンタルな雰囲気を湛えてます。選曲のほうも、スタンダードな曲をそろえており、自信なのか、怖いもの知らずなのか、、ボルヌのカルメン幻想曲ラリー・ティール編のゴイエスカスクロノスといったあたりが、ゴーティエの門下生であることをうかがわせます。

さて、演奏ですが、予想どおり「若い」です。ストレートにぐいぐい突き進んでいき、それでいて技術的な破綻や限界を感じさせることもありません。中でも小さなチャルダッシュのカデンツァでは、楽譜に書かれているアドリブをきちんと吹ききっており、テクニックの確かさを感じさせます。ただ、カルメンアダージョとアレグロアリアなど表現力が求められる曲ではさらに柔軟な表現がほしく思いました。ピアノ奏者は、師匠ゴーティエのアルバムと同じ方ですが、さすが慣れているのか?若さで突き進むアサトゥリャンを、めりはりのあるサポートで巧みにリーディングしているのが印象的でした。。

これからの経験をもとに表現の幅を広げ、さらなる活躍をすることは確実。次の一歩をどういう方向に踏み出すのか、大いに期待したいところです。意外と現代音楽系に強かったりして、、

hänssler Classic のサイトのこのCDの紹介はこちら(英語)

「Musik für Altosaxophon und Accordion」

Classic Clips CLCL 110
2008/9/30-10/2 Fattoria Musica Osnabrük
  1. ブラジレイラ〜スカラムーシュより (ミヨー)
  2. ブエノスアイレスの冬 (ピアソラ)
  3. ジャングル (ローバ)
  4. コントラバヘアンド (ピアソラ)
  5. 剣の舞〜ガイーヌより (ハチャトゥリャン)
  6. (野田遼)
  7. チャルダッシュ (モンティ)
  8. ミステリアス・モーニングIII (棚田文則)
  9. ノクチュルナ (プラザ)
  10. アディオス・ノニーノ (ピアソラ)
  11. パヤドラ (プラザ)
  12. ホラ・スタカート (ディニク)
  13. La Fortezza dei grandi perche (ピアソラ)

Koryun ASATRYAN (saxophone) / Emrique UGARTE (accordion)

何なのですか、このプログラムは! ハチャトゥリャンが入っているのはアサトゥリャンがアルメニア出身だからとして、あるいは<.b>ピアソラが入っているのはアコーディオンとの共演だからというのはまだわかります。それにしてもスカラムーシュチャルダッシュホラ・スタッカートと並んで、ローバのジャングル野田遼の舞、そしてミステリアス・モーニングですよ(そういえば、前のアルバムの紹介の中で『現代音楽ものに強かったりして』と書いたっけ)。。。と戦々恐々としながら?聴きはじめたアルバムですが、印象に残ったのは、驚異的なテクニックに支えられた、やや細く硬めながら鋼のような輝きを持つ音色でした。フランス系の華やかな音色や、アメリカ系のニュートラルな音色とも違う独特な音色で、個人的にはたいへん好きなタイプです。で、気が付くと親しみやすいコンテンポラリな作品群も、ほとんど違和感なく聴いてしまいました。もちろん、その驚異的なテクニックは、ローバでもミステリアス・モーニングでも冴え渡ってます。もっとも、一番楽しめたのは、アコーディオンとのアンサンブルがすばらしいホラ・スタッカートで、いい意味で若さゆえの勢いを感じました。恐るべし20代。。

クラシック・クリップ・レーベル のサイトのこのCDの紹介はこちら(英語)
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