Juhani AALTONEN


フィンランドで活躍するサクソフォン奏者。詳しい経歴はわかりませんが(どなたか教えてください!)、ECM、LEOをはじめジャズ系のレーベルからアルバムを多数リリースしているようです。それらのクレジットを見る限り、1970年頃から活動しており、1940年ないし50年頃の生まれと思われます。クラシック系では、以下の録音のほかに サルマントの管弦楽のためのジャズ交響詩「スオミ」 他の録音に参加しています(この録音ではフルートの持ち替えも担当しているようです)。

Official Page(フィンランド語)


主なアルバム



「Jukka Linkola Crossings, Trumpet Concerto

Finlandia 500352
1984/5 Culture Hall, Helsinki (crossings)
1989/11 Järvenpää Hall, Finland (trumpet concerto)
  1. サクソフォンと管弦楽のための「クロッシグ」 (リンコラ)
    Juhani AALTONEN (saxophone) / Jukka LINKOLA / ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
  2. トランペット協奏曲 (リンコラ)
    Jouko HARIANNE (tp) / Leif SEGERSTAM / フィンランド放送交響楽団

1955年ヘルシンキ生まれ、シベリウス・アカデミー出身でヘルシンキ市立劇場の指揮者でもある、リンコラの協奏曲集。在学中にジャズと出会いジャズピアノに没頭、卒業後自身のジャズ・オクテットを結成し1991年以来UMOジャズ・オーケストラの監督を務めるという経歴からすると、むしろベースはジャズと言うべきかもしれません。そんなリンコラの作品は、古典的な要素を下敷きにしつつ現代的な手法をさまざまにもちこんでいますが、予想どおりジャズの要素の突出が印象的。実質的なサクソフォン協奏曲であるクロッシングでは、作曲者自身の指揮にアールトネンというこれまたジャズにベースをおく奏者をソリストに迎え、ブルース調のテナー・サクソフォンが奔放に暴れまわるのを聴くことができます。どうやら、リンコラはこの曲ではジャズを邪悪・堕落として表出し、これがクラシックと「クロッシング」することを音楽で表しており、その意味では、オケとソロのアールトネンは充分応えているようです。ただ、個人的にはむしろ名手ハルヤンネのソロを奇才セーゲルスタムがサポートするトランペット協奏曲の不思議な響きに魅了されました。

現在、このアルバムは廃盤のようで、同レーベルの Meet The Composer(邦盤では「作曲家の個展」)シリーズで再プレスされましたが、これも現在では入手が難しいようです。

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